自主制作 TV アニメ上映会見物
低調の影響で、ズルズルズルと日記するのを先送りにしていたんだけど、このままだとあと四日ほどで行ったこと自体を忘れそうな勢いだったのでいまのうちにメモ。
01/10 に自主制作 TV アニメ上映会というイベントに行ってきた。「DoGA CGA コンテストが自主制作 3D アニメの会なら、こちらは自主制作 2D アニメの会というかんじ」とのこと。
教えてもらったのが前日の夜中というか当日の早朝で、一眠りして寝坊しなかったら行ってみようと思っていたら案の定寝坊。でもたぶんまだメインディッシュには間に合うかんじに違いないと思って家を出て、高田馬場乗り換え西武新宿線野方駅徒歩 2,3 分。地図とか全然見ないでいったのでこれは迷うかなーと思っていたけど意外と迷わずスルーっと到着。第一部は終わっていて、第二部から入った。
行ってみようと思った主な動機は「絶対無双麻雀マン」のひとの新作(?)が上映されるとのことだったからなんだけども、それは第一部の一発目に終わっていたらしくみれなかった残念。でもまあ第二部からでも合計 12 作の自主制作アニメが見れたし、あとけっこういいかんじになつかしいオタの空気に触れることができたかんじでよかった。あるところにはちゃんとあるものなんだなあこの空気、最近だと DoGA CGA コンテストの上映会とか微妙に薄まってるというか、あっちはあっちでべつに薄まったというわけではないかんじだけどそれとは別になんというか専門学校ちっくなアート味が加わりつつあるようなかんじで微妙な時期なのかなあみたいなのがありつつ。いはゆる「オタのオタによるオタのためのオタっぽさ」が、ここでは大事に育まれているかんじがした。
以下、見た作品の感想メモ。
- 石川プロ / 魔法のチョコレート
- はひー ふひー もひー。背中からあぶら汗を流しつつ鑑賞。
- 山岸剛朗 / 絶対無双麻雀マン
- わかりやすく最高。演出のキレがとてもよい。固定カメラでのアクションなど時代劇のチャンバラっぽい。
- あみしの / 内気はずかしゆう君ちゃん 第二話
- ノリがわからないというか、物語世界の物理法則がつかめないまま展開していく状況がおもしろかった。あれーこのスクリーンに感受性が引っ張られていく感覚ひさしぶり。一見「うぎゃーダラダラ(←あぶら汗)」系かと思いきや、ならやたかし「ケンペーくん」にあるような予断を許さない世界がひろがっているというか、閉じてゆくというか。
- 佐藤としゆき / 無敵メカピーポ君
- 描いててたのしそうなアニメーション。とにかく動く。うおおおれの描いた絵をグリグリ動かしてみたので皆さん見れー!みたいな情熱を感じた。いまどきの大勢はプロよりアマチュアのほうが変化球好きになってしまったかんじだけど、こういう血筋がきちんと残っているというのはうれしい。
- タカダニメ / あすを奏でて!
- 長編をがんばったゼーというかんじだけども、演出にあまり起伏が感じられず、ひらぺったい印象。ううむ。
- じゅんじゅん / Dual Star
- おれの描いたギャルが戦闘だけするゼー!というわかりやすさが好印象だけども、女の子がもうちょっとかわいかったらもっとウケただろうと思う。いまどきの「デジタルアニメっぽい演出」を意欲的に取り入れていたかんじ。
- 堀製作所 / Chees 今ドキの片思い編
- 速い展開をがんばってるかんじで、細かい工夫が見られるものの、動機がいまひとつ伝わってこなかった。あと「あー元気元気」と速攻で復活するシーンで、九州北部ローカルの滋養強壮剤 CM ネタを思い出したんだけど、関係ないかな(?)。
- 山本雄貴 / カリオンの猫
- 見た中では最も DoGA CGA コンテストに近い雰囲気を感じた作品というか、シンカイマコティック(http://cgi.no-ip.org/MT/archives/2003_07.html#000303 ©C.G.I.)な空気がちょっとあったというか、いやそうじゃなくてたぶんシンカイマコティック(という単語が生まれる土壌となった世界認識で)の源流であるところの GAINAX 調の、エヴァンゲリオン→彼氏彼女の事情→フリクリと変遷してゆく年代の、微妙なあたりの絵柄演出のフレーバーを取り入れているアニメ、と理解したほうが適切な気がする。きちんとたのしく一本に仕上がっていて、アラも目立たない。時間の使い方(本編の流れ)は、活字というより映像というよりネット世代の感受性という印象。
- 玉英 / ザラス英雄伝序章「原石」
- 目指すところはこのへん(http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20021227/demo1227.htm)か。熱意は感じるけども、もうちょっと制作に要するであろうコストを合理化してからやったほうが成果につながるんじゃないかなーと思った。
- あみしの / 内気はずかしゆう君ちゃん 第三話
- もうなにが起きても驚かないよおれはと身構えながら見たがやっぱり笑ってしまったが、笑っていいのかなこれは。よくわからないというか、よくわかるためのルートが最初から用意されていない。見た夢そのまんまアニメにしたらこんなかんじになるのかなーとか想像。二話を見たときはケンペーくん式理解でいいかと思ったが、ここまでくるとつげ義春的理解のほうがいいのかもしれない。こういう絵柄でこういう話というのは、意外なようで納得でもあるような。おれの脳内の、おれの意識の届かない部分とかが、実は感動しているかもしれないが、わからないことはわからないとしかいえない。
- なんていうかそのー、十年くらい前だとロリ作者のひとが十人集まれば最低一人はすごく奇妙な世界観を持ってるひとだったりとかしたものだけど(←べつに「あぶない」っていう意味ではなく)、最近はロリ作者十人集まってもあんまりユニークなひとをみかけなくなったというか。こうしてここでこういうアニメを見ることができたということは、彼らは居なくなったわけじゃなくて、おれから見えなくなってしまっただけだったんだろうなあ。
- 石川プロ / どっちもメイド
- 無敵動画堂 / 激倒!ドミトル
- トリにふさわしい力作。クオリティも、すごく高いというかんじではないけども地味にやることをきちんとやっており好感触。なんかふつうに男児向け TV アニメの最終回見てる気分で見てしまった。そのぶん逆に印象が薄いといえば薄いんだけど、幅広く受け取ったかんじなのでそれはそれでよしというか、「自主制作アニメーション」の枠内の食い応えじゃないというか。
公式ページの「作品」ページから各作家さんのサイトへのリンクがはってあるので、そこから探せばけっこう上映作品やその他の作品がダウンロードできるかんじ。
会場には作者のひとの展示即売のブースもあり、最後の最後まで「内気はずかしゆう君ちゃん」のひとにお金を支払うべきか悩んだが、今一歩決意が足りずに商品を買うには及ばず。ああ買っときゃよかった。後悔中。結局、どうも今回の主催者のひとでもあったらしい石川プロ「どっちもメイド」の DVD を一枚買って(←気分で分解すると「1/3 は作品代・1/3 は主催ごくろうさまです代・1/3 は入場無料代」)、帰った。