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メモ2

萌えっていうものを考えながら生産するのはつらいよな。

だって「世間のことなんざ全然知らねえんだけどとにかくおれが作りたいもんはこれなんだけど、おまえらこれってどおよ!?」とかやってるぶんにはその作品に対して客が一人でもつけばそっから先全部勝ちだけど、「おまえらってこんなのに萌えてるよーな気がすんだけどそのへんどうよ?」とかいうかんじのことも考えながら作ってしまったら、実際ついた客がなんとなく脳内で設定しておいたボーダーに満たなかった場合負けになるもんな。そんなの勝ち負けじゃないんだけどでもそこでやんなくてもいいジャッジを自分でしてしまうかんじ。

売り上げがとか資金繰りがとか、生業としての問題は置いといても制作者としてのモチベーションがそこんところで磨り減っていくかんじがする。それをやんなきゃいけないのが商売ってものなんだからまあそれはそれだけど、だからってそのことをはっきりと意識的に頭ん中に置いとかなきゃいけないような状態に自分を置いてしまうのは(つまり自縛的な萌え強迫)、それは苦痛だ。

つまり萌えは「客側の心理」というものをあまりに明確に表現する、便利すぎる単語として生産者を縛るんじゃないかなっていう不安だ。その意味について規定できる人間などいない、それでいてその存在自体を否定しうる人間もまたどこにも居ない。かたちがなくただ存在するだけの力なんてのは幽霊と変わらない。守護天使にでもできれば心強いがいつ背後霊になるとも限らない。

無自覚な人間ほど長生きするのも道理だ。TV 業界でいうところの「視聴率」っていう幽霊みたいなものなのかな。