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人狼ゲーム プリズンブレイク

構成 主人公役職 拘束具 (会議)吊り方法 人狼)殺害方法 備考
村人3/占い師1/霊能者1/共有者2/狩人1/狂人1/人狼3 首に自動巻き取り式ワイヤー 首ワイヤーにより機械絞殺 支援なし ゲーム施設からの脱出。元人狼ゲーム観覧者、いじめられっ子登場
  • ルール説明と施設探検の初期展開をまとめてやっててテキパキ感でてきた。クレイジーフォックス以来、演出のケレン味を若干増してるよな。
    • 本シリーズはあまり予算をかけずヤングな俳優しか出演せず、微細な芝居や派手な演出みたいな、スキルや手間を要しそうなことをやらないようにしている気がしていて、だからあまりカメラや役者はあまり動かず大仰な(舞台に近い)演技が多いんだと思うんだけど。この監督になってからは BGM 演出とか物語ちっくなレイアウトとか、ちょっとふつうの映画っぽさが増したようにも思う。そのぶんリアリティショー感というか、実験映画ぽさというか、生っぽさは若干減ってるかんじ。
  • 本作ではじめて運営に関する部分的な情報が開示されるが、とくに意味があるものではない。金持ち相手にやっている会員制ネット賭博の一種という、いかにもな話。デスゲームもので運営の実態やその意図みたいな部分を謎としてフィーチャーしてそれがおもしろかったためしはないと思う。散々煽った末「くだらないもの」として主人公たちがそれを超越していく部分にスポットが当たって、視聴者としては「だからどうなんだ」としかだいたいは言えない。本シリーズにおいても、そこに期待できる予感はまったくない。だいいち、本シリーズ各作品はべつに時系列順と限らないしそもそも同じユニバースの話かどうかもわからないので、今回だけこういう設定なのかもしれない。
    • 一応毎度まったく現実味のない賞金一億円について、どうやら貰うつもりで真剣にプレイしていたらしいキャラクタの存在も明らかにはなったりもするが、これもとくに本筋ってかんじじゃない。1 作目での賞金一億円という設定は、むしろその現実味のなさが小学生的というか、運営に幼稚でヒステリックなイメージを重ねる効果になっていたと思うんだけど。それとは逆行して、だんだん福本伸行氏作品や LIAR GAME のような、貧乏人にとって現実味のない金額という意味での扱いになってきているかんじはある。なんだろうこのラヴクラフト氏からダーレス氏へみたいな変化。
  • ゲーム外の負い目を利用したレイプ未遂、力関係を利用した一発やらせろ疑惑などプレイヤ間の胸糞展開が続くが、なんと今回主人公を含めた全員の役職が最後まで明らかにされず、作品に推理要素が復活しているので、政治的な正しさとゲーム内の論理は無関係というあたりでミスリード地雷原として機能する。例によっておれは皆目推理できてないので(←金田一少年の事件簿を眺めるおじいちゃんの気持ち)、これがまともに推理可能な話なのかどうかはわからない。
  • 本作は「自分は正しいという証明不能な自信」を根拠にしているとはいえ、能力者が議論をゴリ押しするという、シリーズ中ありえないほどの有能展開だったのに、ゲーム外のプリズンブレイク要素に目がくらんでガタガタになってしまうくだりとか、ほんと人狼をデスゲームでやること自体の無理筋さ、馬鹿馬鹿しさを描ききっている。ハッピークレイジーで無様な最期というか。 あまりの展開に初見時は「え…?」てなった。
    • でもそれは予定されてもいた。ゲーム盤上から自分を外せないとわかりきっている状況でまず自分の安全を確定させようとする判断にはすでに理屈がない。キレる以外能のない馬鹿の面倒をみながら立派に振る舞おうする重圧、異常な状況に放り込まれて加圧するストレス、すべて投げ出して自分だけでも助かりたいという願いを否定できようはずもない。絶望から建て直して希望を掴んでしまったときにハジけちゃっても致し方ない。
  • 弟くん馬鹿だし最悪だけどピュアな部分はあって、あと兄貴がいなくなった直後にはちゃんと仕事したね。それ以上のことは、やっぱりなにもできなかったけど。たぶん当人なりにはよくやったほうだよ。ラストの振る舞いも視聴者に対してはグッドワークだったと思う。
  • 今回最後の人狼は、かなりの強敵感をもって描かれたと思うけど、陣営全体では中盤までの押されっぷりの印象のほうが濃く、それでも取り繕ってなんとか最終局面までもっていったしぶとさだけが光ったかんじだ。そして主人公の最終局面での、往年の人狼 BBS 名勝負ログを思わせるような、しかしその意図は真逆な人間プレイにより、彼のゲームは破壊されてしまった。ほんと GJ、そして可哀相としかいいようがない。
  • 「あなたは誰ですか?」についても、ハイ……としかいえないのだった。