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星の町

ねこ

先日の夜中、母校の小学校まで行って、そこから当時住んでた家まで下校路を通って歩く、ということをやった。毎度のことだが「ここも滅んでゆく…」みたいなことを思った。といっても、べつにそれが悪い印象ではないのだ。そうした感傷に癒しの性能があることには、歳食わんと気付かんものかもな。

  • よく遊んだ川沿いの遊歩道も、いまでは治安が悪化しまくって、夜中一人では歩けないという話だった。まあ歩いたわけだが、野草生い茂りすぎで死角多いし、この一帯も老人が多い地域になってしまったので、強盗にとっては絶好のハイドインシャドウスポットなのかもしれん。ともあれ、ずいぶん変わった。
  • 住宅地に点々とある商店のラインナップは、ほとんど変わってないが、リニューアルしていたり、店は古いままでも看板が新しくなっていたりする。新しい店がポツポツ増えていたのは驚いた。手芸とか。自販機も、見なかった場所に二箇所増設。べつに寂れてはいない。世代の過渡期にある。
  • ここをおれは知ってるけど、ここはおれを覚えていない、ということは毎回感じる。住んでた家(地区内で三回転居してる)は借家だったから、いまは立ち入ることもできない。一つはとっくに建て替わって、一つは更地、カタチが残ってるの一つだけだ。そのひとつにはあんま思い出がない。よく遊びに行っていた最寄りの親戚の家も、いまは他人の手に渡っている。痕跡はある、あるが、その痕跡が何に紐付くのかを知っているのは、おれだけだ。
  • 住宅地の中なので、田舎といってもまわりじゅう人工空間なんだけど、見上げれば星がやたらに綺麗で感動する。よく見える。よく見えるということは、近郊にあまり光源がないということだ。おれが住んでいた頃、ここで見る星空はこんなは眩しくなかった。町の力が弱まったのだ。町が衰えると星が大きくなる。
  • 星は変わらない。いや変わっているが、町と比べれば変化は限りなく緩やかだ。おれは町を覚えていて、星を覚えているが、町はおれを忘れ、星は最初からおれを見ていない。だから、変わらないのは星との関係性だ。
  • 古いニュータウンがそれを築いた世代と共に老衰していく。一方で世代間継承、メンテナンスや、リニューアルなども一応あるから、集落としてはいまも生きてる。だけど、系としてはやはり死に近付きつつあるんだろうと思う。

いずれ廃墟になって、星に呑み込まれる、関係性がひとつになる、という光景を想像しつつ歩いた。