DANTE’S INFERNO

クリアした。悪くはないがよくもない、実にたのしい CONAN ゲー。先日の日記に書いたとおり、デモをスキップできないとか、死んだらアイテム取り直しとか、行くのがむずかしい隠し部屋から簡単に戻れるルートがないとか、現代懇切丁寧デザイン的には全然ダメなタイトル。終盤のリソース作りに力尽きた感を伴う地獄フレンドパーク水増し面とか好き嫌いの分かれるところ。クリア後には MD 版ゴールデンアックスや ACT 版 LOTR 同様、次々出てくる敵グループと戦うだけのモードが用意されておりすばらしい。

• Redwood Shores 改め Visceral Games による、DEAD SPACE 並の三塁打を期待するとたぶん失敗する。Redwood Shores 感としては、「ゲーム要素の絞込みにみるコスト意識」「使いまわしをおそれずボリュームを見捨てない姿勢」あたりか。つまり、作りのシブさ。三遊間一応抜けて二塁打かと思ったら一塁で止まる、みたいなかんじか。
• ステージ構成には結構 God ではなく Gears のほうの、GoW2 の影響が見られるような気がした。でも GoW2 と違って、新味はないけど手ごたえのあるラスボス戦が準備されている。
• あと追加 DLC でレベルエディットや CO-OP がつくらしい。楽しみだけど、製品寿命もつのかね。シングル 10 時間以内ゲーの、標準でマルチが付属しないようなら DLC リリースの頃にはパッケージがどこ埋まってるかわからないという状態になってそう。
• このジャンルの横綱はもちろん God のほうの GoW なので、どうしても横に並べてどうなんだ、みたいな話になりがちだけども、DANTE はどっちかっていうと CONAN とかニンジャガとかに近いカテゴリだと思う。エポックさで GoW と比肩するようなタイトルではなく、GoW が標準化した文脈の中で手堅さを追求している。見たことないものは見れるけど、想像を超えるものはない。みたいなかんじ。
• CONAN より明らかに良いのはラスボス戦。CONAN は道中それなりに楽しく遊んだけどラスボスだけつまんなくて HARD めげた。DANTE も高難度になるときつそうだけど、とりあえず通常難度は楽しく終われた。
• CONAN と比べて物足りないのはエロいギャル。DANTE にも一応エロフィーチャーはあるのだけど、「えーと？」みたいなかんじで、DANTE には関係あってもプレイヤに関係あるかんじがしない。道中ではなくストーリーデモだからだ。CONAN は道中助けるのがメイデンだったけど、そこが DANTE だと亡者に置き換わってるので、厳しい。テンションががが。ホーリー選択時の謎の音ゲーはべつにつまらなくないけど、べつに楽しいわけでもない。
• シナリオは、途中までの流れでいうと「おおっと寝取られ展開かー？」みたいなかんじで変哲のない出来で、深夜アニメをたのしく見れる感受性か、またはゴールデンアックスのストーリーは充分だと思う感受性さえあれば問題ないとおもうが、これ一応続編前提っぽいのね。

なんかこー、おれがこのジャンルに求めているのは刺激とか新鮮味とか爽快感とかだけではなく、心地よい退屈さや眠さも重要なのだという思いを新たにした。最初の二時間で覚えたことを延々と繰り返していくうちに、なんとなく勘所がつかめてくるような…、みたいな体験。ただ、そういうおっさんオタ向けのなかなかの要件を備えていながらも、同時に若オタ向けな仕様による厳しさもあって、そこのすわりが悪い。なにかっていうと B ボタン連打ゲーであること。アンホーリーのスキルしか要らないやー、くらいの態度でやったとしても、ちょっと多すぎじゃろ。B 連打しないとドアのひとつもまともに開かないってのは、God の示した負のスタンダードだと思う。いや連打さえしてればとりあえず満足感があるってのは、無双とかをみても正しいのだろうけども…。