万能という異形
万能はさみというものを見せてもらったが、使う前からフランケンシュタインにグシャグシャにされたような形状をしていて、一能もないようにしか見えん。しかし、これ一本で台所まわりのさまざまな用途に対応するスグレモノなのだそうな。しかし、やはり信じることができない。だいいち、普通のハサミとしては結構使いにくい。
しかしこの、あらゆることに対応しようとするあまり異形と化す、というその創意工夫のなれのはて感は、自意識のこととか、あるいは東京ブロガーであるとか脱オタであるとか、ようするにインターネットのことを強く連想させるものではあった。あらゆることが起きうることは想定しつつも、やはり万能はさみのように生きるわけにはいかない。というか、もうちょっとうまいやり方があるはずだ。