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GLaDOS と初音ミク

Portal」の ED ソング「Still Alive」はいい曲だ。ゲームに登場する人工知能 GLaDOS が歌っている、という設定になっている(と思う)。で、その曲をボーカロイド初音ミク」に誰かが歌わせてみたバージョン、というのも存在している。

で、これのどこがおもしろいのかというと、GLaDOS の歌は「声優のひと(Ellen McLain 氏)に歌ってもらったデータを加工して機械音声っぽくしたもの」であり、初音ミクは「声優のひと(藤田咲氏)の声をサンプリングしてそれを合成出力、人間っぽく聴こえるように調整したもの」であるという、アプローチの違いだ。まあ初音ミクの場合には、その本来の理想到達点が「人間の歌」であろうことから、「機械合成っぽく歌う」というのは現時点の妥当落着点よなーという話もあって、いまいち未来っぽくはない夢の話なのかもしれない。あと、どちらにも人間の声が元素材として使われていて、無から作り出された声ではないので、まだ機械側のみからのアプローチというのには足りないのだが、その部分についておれはあまり気にしていない。結局なにかを模倣しなければなにかには擬態できないのだから、そこで「何からもサンプリングしない」というのは「人間的な」純度判断の問題でしかないかなという。

GLaDOS および、ゲーム中に登場する自動銃座 Turret の音声だけまとめたムービーもあった。Ellen McLain 氏の機械っぽいしゃべりの成果か、その後の機械っぽさ加工のうまさか、そのどちらもだろうが、この機械音声は大変すばらしく、Portal の作品世界のイメージアップに激しく寄与している。あと Turret はかわいい。どんな主題であろうと暴力にはピュアが似合うのだなあとしみじみする。

あと、「Still Alive」作曲者の Jonathan Coulton 氏が歌ってるバージョンもあった。

そもそも機械合成声にどういう立場が期待されているか、という話は、それがどういう対象としてみられるべきコンピュータの意見を代弁するかによってかなり変わってくる。たとえば STARTREKエンタープライズのコンピュータは、乗員から単に「コンピュータ」としか呼ばれない(そしてコンピュータに音声はなく、電子音でしか返答しない)、それがなぜかを考えると、艦内に無数に存在するのであろう個々の端末はすべてが完全にひとつの完成されたネットワークを形成しており、そのどこからのアクセスであっても、コンピュータ(系)は部分でなく常に全体として反応するからだろう、と推測できる。ようはそこには「マイコンピュータ」などという概念がない。ネットワーク内でアドレスや名前の衝突はなく、だから各端末にユニークな名前をつけたり、また対象を指定して命令を下すような必要がない。このように、わりかし古い時代の SF 世界で描かれるコンピュータは「一であり全」であることが多い、まさかインターネットなんていうわけのわからんものがコンピュータネットワーク界を席巻するなどとは思いもしなかった時代に発想されたからなのだろう…てなんかもうこれ全然違う話だな。別の機会に考えよう。