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Yes!プリキュア 5

070426 | プリキュア 5

ようやっと気分的にアニメ体力がどん底を過ぎ、まだ復調傾向には入りそうもないけどとりあえずこれだけは見ておかなければと先週の「腹ペコナッツを救え!」の回を見たが、今回なかなか独特にひどい話でよかった。人間世界での暮らしのためアクセサリー屋に偽装している妖精ナッツの商売がうまくいかないのでみんなの力で商売繁盛だ、というような努力の回なんだけど、どうなったもんかなしかしこの荒んだ世界。

のっけから飛ばしている。

  • ココ「大丈夫ココ。商品はいいんだから、そのうちバンバン売れるココ」
  • 黄色「どんなにいいモノでも、そのもの自体をみんなに知ってもらわなくちゃ!ブレイクするためには、宣伝・営業・売り込みが大切なんです!」
  • (略)
  • 青「クチコミとマスコミよ!」
  • おれ「(うわキナくせー)」

悪の広告代理店と勘違いバズマーケティングを礼賛する怒涛のスクラムが日曜朝のお茶の間を席巻する時代じゃよー。みんなにげろー。でで電通が!電通がですね!影でですね!情報をですね!隠蔽したりとか!操ってですね!辿っていくと代議士とかにですね!カネが!カネの流れが!そうですね。

おまけに今回敵が構造的な弱者感満点でやりきれない。以前の任務の失敗から組織にも戻れずホームレス同然の暮らしを送っていて、「畜生プリキュアのせいで…」とか逆恨みして襲ってくるという。なんだろうな彼のこの出口のない情念は。番組の視聴者は自動的にメタ視点だから「ああ、どうしょうもないところだな」で済ませて終われるが、当事者としては「どうしようもない」で終われない。彼の狭窄しきった視野では自分のスジの悪さなどわかりようがないし、わかったところでどうしようもない。「それでも生きねばならない人間」を結果的に代表してしまっているような姿。彼からは「彼がこうならずに済んだ可能性」を感じることができなかった。最初からそう多くの選択肢があったように見えないし、また妥当に自分の現在を選択するだけの十分な視野が与えられたようにも見えない。どうしようもなく、なるようになった結果、こうなって、今がある。明日はないかもしれない。美しさとも正しさとも無縁の路地裏の住人。

話がどうなったかというと、プリキュアたちは前半失敗とかしつつも後半ビラまきの努力などが実って結果的にお店が繁盛して大成功、めでたしめでたし。でもこいつらって、お店自体もビラの量産とかも魔法の力あったればこそというか、それが生得の資産や駆使できるコネクションのメタファーとすれば、プリキュア側と今回の敵の構図ってようするに「努力が実を結ぶセレブと、砂に水を撒くような貧困層」っていうよーな救いのなさというか、甘くないなーと思った。日曜朝の新自由主義教育ですかー。これ見てるお子様は、近い将来どちらの側で物心をつけることになるのだろうかな。

一応彼は今回致命傷を食らう前に逃亡に成功しており、話は後にも続いていくのかもしれないので、今後待ちだけど。どうかなー順当にいくなら、プリキュアがまさに敵組織側のそういった負の(!)構造自体と戦っていくのだとすれば、弱者であるがゆえに悪の手先になっている彼のような人間(クリーチャー?)に対しては、戦って滅ぼすというより別の解決法を用いていくことになったりすると熱いんではないかと思うけど、そこまで面倒くさい話でもなかろうしなプリキュア。どう割り切っていくつもりなのか目が離せないわー。