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THE iDOLM@STER

おれが最近触れているアイドルものといえばもうひとつあった。Perfume だ。といってメンバーの名前とか顔とかも知らないしもちろんライブとか行ったこともなく、歌っている曲しか知らないのだが。あれはあれでひとつの正しいアイドルソングかと思う。アイドルっていうかアイコンなのかもだが。そこにある象徴化と生身の乖離の妙が、たぶん現在のアイドル状況に対して中田ヤスタカ氏が Perfume をプロデュースしている、ひとつのアングルがあるのだろう的理解。

で、(360 版を買う前からアルバムとかひとに借りて聴いてたけど)最近はゲームを遊ぶ関係でアイドルマスターの歌をかなりの頻度で聴いていて、数年前から折に触れアイドル好きのオタのひとから指摘されていることについて、なるほどなと実感しつつある。つまり、「アイドルソングアイドルソングというアングルで評価されるべきものである」「声優ソングはアイドルソングではない」といった、曖昧な感覚だ。アイマスの歌は、かなり声優ソング寄りだ。アイドルソングではない。さらにいえば声優カテゴリには「アイドル声優ソング」ってのもあるらしいのだが、いまのところそこまで深く突っ込んでみたいモチベーションはないので省略。Perfume は、現在の一般的なアイドルソングと比べて、だいぶアイドルソングっぽくないのかもしれないが(あんまよくわからんのだがハロプロ系の歌とはだいぶ違うってのはわかる)、それでもやはり、これはこれで間違いなくアイドルソングなのだとわかる。アイマスと並行して聞いてみることで、よくわかった。優劣でなく、ただ同じでなく違うものであるなあというような感覚。それは結局おれが声優にもアイドルにも、ジャンル的な興味や嗜好を持っていないってことでもあるんだろうと思う。

Perfumeアイドルソングであることは、以前は Capsule との対比で確認していた。もとは中田ヤスタカ氏作品への興味からはじまっていて(奇しくもっていうか、これまたアイマスと同じ NAMCO 社製品の「もじぴったん」の PSP 版のアレンジに氏が参加していた、というあたりからの流れ)、当時の感覚を引用すると以下になる。

経緯をあらためて書くと、ピコピコ音に歌唱のプロ的でない声(音域の広くないボーカル)、というあたりから中田ヤスタカ氏関連の曲などを聴きはじめており、Capsulehttp://www.capsule-web.com/)についてはフルーツにノンカロリー甘味料かけて食ってるかんじを、Perfumehttp://www.amuse.co.jp/perfume/)については野菜にハチミツかけてくってるかんじを期待していたが、

アイドルソングに対するおれなりの理解は、「野菜にハチミツ」ということだ。アイドルというと現象の外側からは、なんとなく女の子がかわいいとか石川はうんこしないとか、ファンが女の子自体を象徴的存在として崇めているように認識されるが、そうではなく、おそらくアイドルファンにとってのアイドルソングというのは、「象徴的な音楽と、まったく具体的であるアイドル(歌い手)のギャップの、ライブ感を伴う交錯」にその魅力があるのではないか、とかなんとか。で、アイドルマスターの歌には、それがない。なぜそれがないのかというと、たぶん、そこは実際のゲームプレイによって、おれが内面的に確立すべき領域だからなのだろう。そこの部分こそが(妄想としての)プレイフィールドになっている、あるいは、そこをゲームプレイに包括していかないことには、アイドルマスターは単なるギャル育成ゲームに留まり、アイドル育成ゲーにならない。