ホタル族
夜中公園で煙草吸いつつ星を見ているとき、まあ冬だったらとりあえずオリオン座を探す。ほかにわかる星座はカシオペヤくらいだ。聖闘士星矢もアニメはチョロチョロ見てたけど大してハマらなかったので星座よくわからん。いや聖闘士星矢で星座に詳しくなるっていうのは、たとえるなら新世紀エヴァンゲリオンで死海文書に詳しくなるというくらい筋違いの話か。どうでもいい。脱線した。
星座とかいって関連付けているけど別に個別の星に特別因果関係があるわけでもない。あるやつもあるだろうがないやつのほうが多いだろう。そもそもが肉眼で見えている星の大概は恒星だから、かなりのスケールまでは個別の好き勝手な存在といえるだろう。距離も大きさも全然違ったりするはずだ。たまたま地球から見ると近い方角に見えてる一群を脳内で線で結んで楽しんでいるという。これはネットとかでもよくやっていることだろう。○○界隈といったところで個別のひとたちには特に関係が強かったりもせず、たまたま自分から見て「なんとなくあすこらへん」とか固まって見えているだけで距離も温度も全然違う。もちろん実際に関係があったり連絡が緊密だったりする界隈もあるだろうが、それでいうと全然違うところに見えているひと同士にでも界隈の距離感以上の緊密な関係が実はあったりとかもするわけなので、なにがどうだかわかったものではないし、そんな細かいこといちいちわかる必要もない。
星座とかいう大雑把な印象論(=物語)をいじくりまわして安心していないで、もっと実体としての個別の星々を見るべきだ、というような真面目意識が強くなったり弱まったりする周期の中でいろんな趣味と界隈意識は巡っていく。けど結局おれは星にも星座にも詳しくなることがなかった。ネットも適当だしなー。都合にあわせて星と星座を使い分けといったところだろうか。定点観測屋になるタイプではないのだろうな。情熱が外に向かわないのだろうか。なにかを自分なりに判定しようとか思わないかぎり、それで困ることはない。
月のすぐ斜め下に光っている星が見える。ちょっとした絵だなこれは。泣きボクロのようだ。いや月のホクロなら内側に入ってないとダメか。いや星が月の手前にかぶさって見えるようだと天文学的な一大事だしな。漫符的なかんじということで。どうも月に対する顔としての見立てと目としての見立てを混同した結果のようだなこれは。それならそれで高度なのでいいか。というあたりで煙草も尽きたので家に戻る。