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おまえうまそうだな

おまえうまそうだな

「帰ってきたおとうさんはウルトラマン」の宮西達也氏の別シリーズ。このひとの絵柄はとにかくはっきりしているので、おれのような絵本出戻り組にも敷居が低くて良い。

ほかに「きみはほんとうにステキだね」「あなたをずっとずっとあいしてる」があって、立ち読みして、それらも十分よかったが、とりあえず上記二冊を買ってきた。小説などと違って絵本は体験メディアとしての性格が強いので、一回読んだら終わりということがない。読んだことのある本を、何度も繰り返し違ったコンディションで読むのが良い。知っているとか飽きたとかいうのは絵本の場合前提だ。消費をいうなら最初からされていて、それでいながら長持ちする本がよい。飽きても飽きても触れるものであればそれが一番良い絵本だろう。なので絵本は、立ち読みできる本屋ならひとまず全部立ち読みしてから、買うかどうか決めることにしている(一回読んで満足してしまうような絵本は買うべきでないし、また再読を無駄に感じるひとは絵本に触れるべきでない)。

このシリーズは基本的に、

  • タイトルは登場キャラクタの台詞
  • 別れ
  • 赤い実

という点を一貫させている。そこにはどういった意味が。あるのかどうかを考えるのは絵本読者の仕事ではない。考えるのではなく体験することが大事だ。それを繰り返していけば、いずれなにか説明不能(要)の不思議なものが心の中に育つのかもしれない。なにかまりもに似たようなやつが。