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細田氏版「時をかける少女」感想のメモ

上野散歩 | 060918

いつまでたってもおれの中で細田時かけ話をまとめる気配がないので、忘れないうちにトピックのうちいくつか要点だけメモ。後日参照用。

これまでの経緯。

…ほとんど感想書いてないな。これはいかん。ほかのひとと何度か感想を言い合う試みをしてみているんだけど、いまひとつアニオタ感想喋りとして成立する要点を見出しづらかった、というのも本作の特徴であるかもしれないと思っている。

  • 魔女をやめた魔女と魔女おばさんの非対称
    • おジャ魔女どれみ」の魔女をやめた魔女と、時かけの魔女おばさんは関係が深そうなキャラクタとして有名だが、しかし同キャラというわけではなく、わりとスタンスがちがう。
    • それはたぶん時間に対する能力の違いとして表されている。
    • 一言でいうと、魔女をやめた魔女は弱い。魔女おばさんは強い。
      • 下衆に勘繰るなら、魔女をやめた魔女の魅力は「女の弱さ」であり、魔女おばさんの魅力は「女の強さ」である。
    • どっちの魔女も「子供のあやしかたはぞんざい」なのだが、魔女をやめた魔女にはそこに多少の未練が反映されている気配があり、魔女おばさんのほうのあやし方はほんとにどうでもよさげ。…ああいや、愛がないという意味ではない。魔女をやめた魔女は、(その能力ゆえ)おばさんになり損なっているので、魔女おばさんほど超然とはできないというか。魔女おばさんは、その名のとおり「おばさん」だから強いといえる。
    • 魔女をやめた魔女は、どれみに対して一旦誘いをかける、が、結局どれみを連れて行かない。これは「対どれみ」としての行動とは思われない。「対自分」の投射先にどれみを選んだだけで、そして結局連れて行かないことまでを含んで、わりと最初から決着のついていたエピソードと思える(どれみを軽んじているわけではないにせよ、彼女はやはり「自分と遊んで」いるように見える)。
  • 地図関連
    • そういや先日の感想会がわりと人数すくなめなかんじだったら、コピー用紙とボールペンかなにか持ち込んで「それぞれのひとが映画見て考えた作品内地図」を描いてもらうとおもしろいかなと思っていたんだけど、できなかった。
    • あまりロケーションのつながりが重視されていない作品のように思われるが、魅力と楽しみ方は別個であるからこだわっていきたい。
    • ウルトラマンシリーズのメカ発進シーンだの波動砲発射シーケンスだのラノベの呪文詠唱だのをはじめとするオタ伝統のシーケンス重視嗜好と、あと「探検ぼくのまち」的なマッピング快楽の融合というのか。いろんな物語や時系が、「場所」という乱暴な情報によって一気に連結されていく過程に生じるダイナミズムが物語自体のクライマックスに同期することがあるようなら、それはやはり感動的ではないか。
    • 自転車やバスが電車になることによる「ロード時間」感、ひいてはカートリッジ式家庭用ゲーム機がディスク式になって以降のオタ意識の変容などとも無理やり絡めるとちょっとおもしろいか(さらにインターネット以降にはハイパーリンクで文脈すらも一瞬でドバドバと跳躍することになるわけか?)。「主な移動手段が自転車」の時かけ映画で、しかし土地のつながりが曖昧というのは、おれとしてはちょっとした落胆なのだが。しかし「自転車よりもプリミティブなはずの「走る」が時空跳躍と連結している」時かけ映画では、そのほうが妥当の肌感覚とも思えるか。
  • 津田功介関連
    • いいヤツすぎてリアリティがない、などということはない。ああいうヤツは居る。
    • 「成績優秀&医者の息子&医者志望」というスペックを裏読みすると、「成績優秀だが(都内で進学校の選択肢も多いだろうに)公立高校に通っている(=家業を継ぐ気があり能力も十分であるのに英才教育コースを選んでいない)」「家が開業医っぽいけど、息子が電話で友達の捻挫の治療を頼める程度には気軽な規模の病院である」となる。ここからさらに妄想をふくらますと、「彼の家は父の代で自立開業した町医者で、まだまだ開業時の借金もけっこうある」というかんじであろうと推測できる。そういう台所事情を見ながら育った彼は「いいよべつに、どこでも勉強はできるし」とか、親にあまり負担をかけまいと公立高校を選んだのに違いないのである(中学時点での三者面談の様子や、その晩の家族会議の光景などが目に浮かぼうというものだ!)。
    • 医者は出世しようと思ったら派閥だ学閥だので大変という話を聞くし、そういう意味ではけっこう「どの大学か」だけでなく「どの高校から大学か」もある程度(ファッションとして)重要ではないのかとか推測するんだけど、彼の場合「まあとにかく親父の仕事を継げばよかろう」と割り切っているようにも見える。それが「同業者の中での父」の背中を見て育った結果によるのか、それとも彼本来の性格によるのかは不明。ただ、学校での彼のあり方(スペックは十分であるだろうにクラスの主流派に参画しようとしていないこと)などから、どっちにしてもあまり権力闘争などといったレイヤには興味がなさそうとも見える。
    • 面倒見のよさから弟か妹が居ることが推測できるが、不明(むしろ「一人っ子なのにあの性格」とかのほうが逆にありそうではある)。設定とか見ればわかるのかもしれないが、見てない。
    • バンドやるならドラムっぽいが、逆にハマりすぎなので落ち着かず、敢えて外してベース(←妄想)。

ここまで。