TRICK 劇場版

TRICK か、半年ほど前に一回だけ見た TV スペシャルみたいなやつが、物凄くつまらなかった（http://d.hatena.ne.jp/matakimika/20051113#p3 駄作にもいろいろあるが、あれは「マイナス○○点」とかいうかんじじゃなくて「ただひたすらゼロ」ってかんじの視聴感だった）んだよなー大丈夫かなー、と心配しつつ見て、やはり「よくわからない」というよりは「明白につまらない」といったレベルに落ちる時間帯も多少はありつつ、でも今回は全体的に楽しんで見終えるまで TV の前に座っていることができた。おれの場合には「つまらない」のレンジで感覚される事象にも、たぶん「これが TRICK シリーズのおもしろさなんだろうなー」と納得できるだけの奥行きは感じたし。よかった。案外おもしろいじゃん TRICK シリーズ。喜怒哀楽のうちの怒哀の部分を描かないのではなく、あるものとしてちゃんと描くとことは描くんだけど、単にその扱いを軽くするという技法によって、全体として喜楽っぽい劇になっているのと、その裏打ちとしての空しさみたいな部分がドラマオタのひととかに喜ばれたのかしらん。たぶん TV でやってたシリーズと比べるとシナリオの厚みとかはなくて、大仕掛けなぶん大味とかなんとか、シリーズのファンからすればいろいろ言いたいこともあったりするんだろうな（←本作についての世間での評判とかまだ調べてないし知らないが、だいたい TV ドラマの映画化というのはそうしたものなので、たぶんそんなかんじだろうという事前認識）。映画化するほどのドラマの TV スペシャルが妙に中途半端でシリーズ中最もつまらなかったりするというパターンは、考えてみれば「踊る大捜査線」で一度体験したことであるし。もうちょっと評価してもいいシリーズなのだろう。TV の地上波深夜とかで再放送とかされるようなら見てみたいかもしれない。