新・極道の妻たち
TV でやってたので見た。おもしろかった。
やくざ映画は日本的な組織のお話なのだなと今回妙に染み入るように理解できた気がする。組織が義理であり家族が人情である。と書いてみれば単純そうだが、組織も親子も制度・内実両面で複雑極まり、しかもやくざ映画においては組織=家族という一面も大きく、絶対といい加減が不可分に溶け合いつつも、そこはやくざ映画であるから人死にも当然出るわけだから結果としてのコントラストは明快で、ややこしいことこのうえないが、そこはさすがに映画なのでコンフリクトの要点はわかりやすく提示され、なんだかとにかくすごいなと感心する。その味わいが非常にしめっぽい。いいとか悪いとかではなく日本。新極妻がシリーズ中でどのような位置付けの作品なのかわからないが、間違いなく何らかの様式に則った作品として感じられ、そしてその様式というのが、つまりはやくざ映画ということだったろう。やくざ映画には名作傑作が多いのだから、これを見たくらいでやくざ映画を見たつもりになってはいけないだろうけど、ひさびさに邦画のにおいを嗅いだ気がしてちょっとうれしかった。
あと今作で活躍する藤波三代目の名前が naoya で、このひと絡みの台詞が出るたびはてな的にちょっと笑った(Goo 映画:あらすじ全文→http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD26718/story.html?flash=1)。いろいろたいへんだけど心意気は誰より熱いぜ的な。愛もあるしな。まあ映画の naoya は作中で死んじゃうのでアレなんだけど。