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SNS 関連雑感

なかの ZERO | 060503

このところに漠然と思ったり感じたり考えたりしていたことを書き出してみる試み。

  • 現時点で日本でいちばんおもしろい「SNS 的ななにか」というのは、はてラボだとおもう。
    • けどこれはあくまで可能性とそこから生えたトゲトゲを楽しむあそびとしておもしろいという意味であって、実際にそのトゲトゲが伸びて育ってつながってどうこうして、みたいな SNS 内にあるべきコミュニティ感をたのしむという意味ではない(実際にコミュニティがおもしろく感じられるようなものなら正式サービスになるべきだろうし)。
    • 関連して、おれが最近 TV で見るたび苦笑を禁じえない CM があって、Intel チップ搭載の Mac がどうのこうのというやつなのだが、とにかくそれのコピーがふるってて「(略)この可能性を、想像してみよう」というもので、ようするに末端ユーザにとってみればそれの一種なんだよねはてラボ。べつにここではなにも実現しませんよという。可能性を想像するだけ。実体を伴うようになるなら移動するだろうと。「可能性」も「想像」も、形や重さがないものだ。
    • で、苦笑する一方でおれにはこの「(略)この可能性を、想像してみよう」という感覚はすごくよくわかりもする。Mac とか目の前にしてそういうこと言われると笑っちゃうけど、これがたとえばはてラボであるとか XBOX 360 とかであれば「そうねーわかるねーまさしくねーひつようだねー」と、「可能性」を「想像」するという空費をやるだけでもかなりの納得感を享受して、実体の確かな手応えを錯覚するわけなのだ。それができるからこそまだ絶対に必要なタイトルが一本も国内リリースされておらずいわば「空っぽの箱」であった昨年末時点に XBOX 360 に対してお金を支払うことができるわけだ。ブランドとか印象とか、これまた(過去の実績などはともかく未来の保障という意味では)実体のないようなものに大きく左右されてるこういった心理ってほんと度し難いところだなとは思いつつ。「想像」した「可能性」が「実現する」、という信頼を預けてよいと判断したところに人間は集まると。そこでもうひとつ「そのビジョンの先に多数の同胞の姿があるだろうか?」という打算ができればバランス取れてるんだろうけど、自分さえよければ他人のことは知らんというゲームエゴイズムに毒されているおれの場合にはそういった視点がない。
  • ワンワンワールド自体は非常に機能が限定されてあるのでイノセントで、でも「Google マップを使うことで、ほぼ完全な意味での SNS を作ることができる」のだなあという可能性を示唆してもいて、そこいらへんはちょっとゾッとした。
    • ようするに今後どこかで仮に Google マップを利用した個人情報入力などを厳重にした SNS が立ち上がったとして、そこでユーザ各人の「マイページ」を「自分の現住所」に関連付けてしまえば、これこそまさに「わたしのホームページへようこそ」というわけだ。けどこれは怖い。夜のブロガーとしての警戒心からだけではない。咄嗟におもいつくだけでも以下。
      • マジで現住所を登録した場合:押しかけ厨的な問題への対処をどうするか
      • 公有地はまだいいとして、他人の私有地の座標に「家」を建てて問題になった場合の対処
      • なんか政治的宗教的に微妙な場所に「家」を建てるひととかが出て問題になった場合の対処
    • というわけで、ワンワンワールド触ってて「これ好きなところに自分の家(そこから自分のはてな内各サービスへ誘導できるようなの)建てられればおもしろいかな」とか思わなくもなかったけど、これは可能性の恐怖のがでかいなあと思ってそこで思考停止。
  • 「実社会密着型の SNS」と、「単にグローバルじゃない、というだけの意味での SNS」は全然違う
    • 昔話。GREE とかわりと皆本名プレイで大変だったけど Mixi とかわりと初期から偽名プレイバンバンで、どっちが流行るかっていうとそりゃ偽名 OK のほうだろうという印象だった。ただしこれはどちらもべつに規約に銘記してあることではなく、なんとなく他のユーザの雰囲気とか見ながらの話だった(と思うけど、単に規約が緩いとか罰則が甘そうとか印象の話だったかも)。あと Orkut の場合ガイジンは SNS 外でも本名プレイバンバンな雰囲気なのであれはあれでまるで世界が違う感。
    • シェア的に強いのは登録情報が少なくて済むほうだけど、なにかの役に立てようとしてネットワーキングする場合には、やっぱり本名プレイしか認めてないほうのネットワークのほうがやりやすかろうとは思う(リクルートに使うとか)。けどいま GREE がどうなってんのか知らんのでなんとも。あとブログの流れとかとも関連していて昼のブロガーは本名で構わんだろうけど夜のブロガーは実社会密着型はノーサンキューであって、このへんももうちょっと突っ込まないといけない話だな。
    • というわけで OrkutGREEMixi か、というほぼ三択だった当時には、Mixi は「いちばん規約のゆるそうな SNS」だった。まあ Orkut は日本語が実体参照でないと使えなかったり(後にふつうに使えるようになったけど)、日記が書けなかったり、ブラジル人が多すぎたりとかして日本人がコミュニティで盛り上がるにはちょっと厳しい環境だったということもあり、あんま選択肢には入らなかったかもしれない。
    • で、以降の SNS の流れはというと、Mixi が強くなりすぎたせいか「Mixi よりも規約が緩そうなかんじ」「Mixi と似たような機能」「Mixi よりも参加が簡単(招待不要)」の三条件必須みたいなかんじになっていったような。気が。フレパとかなんとかあるらしいが知らん。いまおれがちゃんと見てるその世代の SNSFilnOtaba だけ。けどなんというかべつに SNS っていう用語はソーシャルなネットワーキングでさえあればどんな形態どんな機能でもよかったはずで、それこそ日記が書けてコメントがつけられてコミュニティが作れて足跡が見れてとか、そういうのに限らず全然べつの代物でもよいはずのものなわけだ。そういう部分を予想外の方角から突付いてくれそうなのが現状でいうとはてラボ。ワンワンパークとかあたま煮えそうなあたらしい SNS 感だよね。なんだかわからんがあと二捻りくらいでとんでもなくおもしろくなりそうだけどいまはつまらん!おまえの話はつまらん!みたいな。
  • 話逸れたので戻すと、なんか OrkutMixi になって Filn とかになってきたあたりで、「おれの考えている SNS 感」みたいなもののブレのデカさが無視できない帯域になってきたような気がしたので、これはもう別物と考えていい気がしてきた。SNS 初期にはどうぶつの森とか PSO とかまで SNS の一種と勘定していいとは思わなかっただろうが、いまは「まあそれはそれでアリか」と思い始めてしまっている。けどこれは違うよな。逆だ。SNS ではなくてただ MORPG からゲーム部分を削除してコミュニティ機能を増強してあるだけだ。いやそれもまた違うか。どっちでもいい話ではある。SNS ではないとか MORPG ではないとか線引きする必要がある話ではない。
  • とはいえ、多少なりとなにかの違和感はある。その違和感に適当な名前がつけられず困っている。
    • 内外を区切るバリアの有無か。すべて一応会員登録が必要だが(GREE のレビュー等、会員でなくても閲覧できる領域のある SNS はあったけど。ていうか「ほとんど公開・編集と一部領域に関しては会員のみ」という程度のバリアで囲われているという意味でいえばはてなダイアリ / グループとかもそれに含まれなくもない)、最近のものはその条件がほぼ形骸化している。無料で利用できるのでゲームと比べても敷居は限りなく低い。動作環境も「ブラウザが動く PC」という程度だし。けどそれでいうと、SNS 以前からあったグループウェアとかはどうなるのだ。…まあふつうに SNS ってことでいいか。グループウェアSNS 的に運用されてこなかった、という話にするなら「新しい出会いの有無」とかで分ける話になるか。
    • 実社会との密着の度合いか。現居住エリアや本名登録必須のものなら自然と密着してゆくと思う。入力不要のものなら薄くなる。
    • どんなに条件を甘くしても「そのように使おうと思えば、実社会と密着した使い方ができないネットワークはない」と思うので(それこそ便所のラクガキだって、電話番号を書けば「有効なメディア」として機能しうる)、「使える」「使えない」は基準にならない、が、安全性や信頼度は基準になるか。けどそれでいうと、「なんとなく信頼してもよさそうな」会社によって運営されている SNS というのはいくつあるのかという話になる。ポリシーを明示してあるぶんにはそれに納得するかしないかという話でしかないけど。現状大半のユーザは SNS を、ただそれが SNS であるという理由だけで、無条件に安全で秘密は保護される領域だと思い込んでいるようなところがあるように思う。疑い始めるとそんなもの使えないとなるだけの話なので、ここもあまり掘っても仕方ないところか。
    • ていうかそもそも「実社会」て言い方が気に食わないな。インターネットだって実社会上にある。MMORPGRMT して稼いだ金は実社会で通用する。それこそ就職活動であるとか同業者組合的ななにかとか、そういう使い方を想定しての呼び方なんだけど、もうちょっとうまい言い方ないものかな。おれは「ネット」の反語としては(「現実」とかでなく)「暮らし」を支持しているんだけど(←「インターネット上には太陽がないので、日は昇らず暮れない、したがって「暮らし」はネット外の生活を指す言い方として適切」説)、このような場合でいうと「暮らし密着」ってのはまた違う気もするんだよな。仕事というか…産業…実業…いや虚業とかでもべつにいいわけだし…というか金絡みでなく町内会とかご近所付き合いとかでもいいわけだし…。やはり「昼のブロガー的」「夜のブロガー的」で分けるのが感覚的にはいちばん近い気がする。
    • グダグダなってきたので戻ると、この違和感の発端は、おれの SNS 感の基準が大雑把だったことに起因している。「内部にあるバリア感」で判定していた。情報に曖昧な敷居があること。ゴチャゴチャと入り組んで風通しのよくない街。街の外の荒野。逆にいえば風から守られて、目に見える範囲だけで満足しているぶんにはいつも居心地のよい空間。中庭都市はてなhttp://d.hatena.ne.jp/matakimika/20050512#p2)感みたいなのの別パターンというか。SNSはてなの決定的な違いは、はてなはなんのかんのいいつつ閲覧するぶんにほとんどのエリアがオープンなので世界全体への意識を無視できないが、SNS はどのように使っていても世界全体を想像する必要がない点。このあたり、ちょっと前なら「セカイ系」とかと絡めて考えていれば問題なかったのかなと思わなくもない。
  • 天下二分から天下三分へ
    • 「匿名ネット or 顕名ネット」みたいな図式っていうか、ようするに「2ch or 個人サイト」みたいなネットワーカーの棲み分けであるとか本宅別宅であるとかなんとか、世界の区切り方があったように思うけど、最近は SNS(というか mixi)が十分な規模になってきてるので、「匿名ネット or ソーシャルネット or 顕名ネット」というか「2ch or mixi or Blog」という三極でネットワーカーの棲み分けを区分していい気がしている。
      • もちろんこれは、インターネット住人が三つの陣営に分かれて血みどろのシェア闘争を、というような意味での区分ではない。「ひとつの陣営にだけ帰属しているひと」だけではないからだ。けっこうたくさんのひとは掛け持ちしているとおもう。ざっと書き出すと
        • 匿名ネットだけ利用しており、ほかを知らない
        • ソーシャルネットだけ利用しており、ほかを知らない
        • 顕名ネットだけ利用しており、ほかを知らない
        • 匿名ネットとソーシャルネットを掛け持ちしており、顕名ネットを知らない
        • 匿名ネットと顕名ネットを掛け持ちしており、ソーシャルネットを知らない
        • ソーシャルネットと顕名ネットを掛け持ちしており、匿名ネットを知らない
        • すべてを掛け持ちしている
      • これらの場合分けそれぞれのひとたちの精神風土や行動、発言の様式を考えていかないといけない気がする。
      • おれの場合でいうと、この三つはすべて利用していることになる。おれにとっての匿名ネットとは自アンのことであり、おれにとっての SNSmixi そのほかいろいろあり、おれにとってのブログははてなダイアリだ。曖昧な印象だが、「帰属意識自アンはてなSNS」「活動基盤:はてな自アンSNS」「閲覧頻度:SNSはてな自アン」とかそんなかんじかも。あまり優先度を定めたりとかはしていない。強いて最初に削るとすれば、SNS かなとかそんな程度。
      • このへんの気分の差を知りたくて、あれこれの OFF 会に参加してきた。はてなダイアラーのひとが集まる OFF 会と、自アンのひとが集まる OFF 会と、MixiFiln のひとが集まる OFF 会は、どれもまあ特有の「ネットワーカーくささ」みたいなものでは共通していながら、やはりどこかが違っている。それぞれのムラの固有性かもしれないし、サービスの仕組みに共通しているものかもしれない。まだはっきりとはわかららないが。
    • まあでもこれもあれよな、それこそ「テキストサイト界隈」みたいな、当事者にとってみれば世界全体の話みたいだけど客観的には辺境の一集落程度の規模であるとか、そのような、狭い世界の区切り方の話ではあるだろうな。インターネットの使い方には上記三通りしかないのかっていうとそれは全然違うわけだし。
  • で、はてなはそのうち「顕名ネット」と「ソーシャルネット」の二つを押さえにいっとるわけかね。
  • 世の中の流れ的には、今後匿名ネットはゆるやかに包囲され衰退していって「顕名ネット」と「ソーシャルネット」が溶け合いつつ新しい二極に置き換わっていくのかもね。わからんけど。

疲れたのでここまで。