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モノを大事にしないオタ

借りものの「ほしのこえ」盤面

Kさんはトラディショナルなアニオタなのでアニメグッズとかどんどん買う。一次ソースだけでなくムック本とかグッズとかにも金を支払う。こないだ会ったときもエマの T シャツ着てた。初回特典ものとかも部屋にゴロゴロ転がっていて「あーいまどきのオタ商品をきちんと買ってますなー」ってかんじ。けどおもしろいことに、Kさんはそういったグッズをまったく大切に扱わない。管理がものすげえ杜撰。まあ部屋がカオス属性の中期型魔窟なので(←そろそろ後期型魔窟と言ってもいい状態かもしれない)系統立てた管理ができないというのもあるのだろうが、そういう話以前の、買ったモノの取り扱いの粗々しさは傍で見ていて心配になるほどだ。おれにはそういう暮らし方に対する理解もわりあいあるつもりだけど、一応なぜ安くもないグッズをわざわざ買ってるのに、保管的な意識を働かせることがないのかきいてみたら、「どうせ人間いつか死ぬじゃないですか」と応えてくれた。なるほど。とてもよくわかる。彼の生き方は彼の因業そのもので、彼はそれを認めつつ楽しんでいる。

で、それはそれとして先日「耳をすませば」を見た関係で、なんだかいまならおれは「ほしのこえ」を最初から最後まで見れる気がするっていうか、たぶんおれは「ほしのこえ」を「耳をすませば」を踏まえたうえでなら見れるだろうと思い至り、2005 年にしてようやく初ほしのこえ本編鑑賞への決意が固まったかんじになったので、ほしのこえっていうか新海誠氏作品大好きっ子のオタ友に「ほしのこえの DVD 貸してくれよ」と頼んだ。そしたら「見たことねえの!?(なんで?)」みたいなかんじでサクっと貸してくれたのだが、その DVD の盤面がすごいボロボロでおもしろかった。べつに意識して杜撰に扱ってるわけでもなかろうし、彼に限って新海誠氏作品へのリスペクト魂が不足していることなどはありえないのである。つまりこのディスクの傷っぷりは、そういったところとは全然関係のないところでついたもので、彼の健全なオタ精神はそういった事象と完全に切り離されたレイヤにある高潔さによって支持されているのである。わーこれは盲点だった、ある意味完全パンクマニュアルを地でいってるやつがここにもいたよ(http://cagami.velvet.jp/sex-p/punk_manual_step1.shtml#1-4)。となるとおれはこれを VHS 三倍モードにダビングしてから見るべきだろうか。おれテープメディアは二十世紀に捨ててきたのでそれはできないんだよなあ。それ以前にこのディスクは、まともな再生が可能だろうか。

オタがオタであるためにはモノとの関係性が不可欠だ。しかしそれは必ずしも「オタはオタグッズを丁寧に扱う」とは直結しない。ひとはひとらしく暮らしていくのだし、逆にいえば自分は自分らしくしか暮らしてはいけない(結果的に観測できる自分というのは、自分そのもののありよう以外ではない)。オタごとに各人のオタらしさというものがあり、彼らには彼ららしいモノの扱いというものがある。彼ららしく扱われている彼らの所持品は、美品だろうとズンボロだろうと等しく彼らのオタ性の確かさを体現していると思う。