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WXIII - PATLABOR THE MOVIE 3

また君か

とり・みき氏脚本による外伝的な印象の映画。おもしろかったが、波じゃないんだよなー、うねりだ。または海の底の水流のように「おもしろいもの」として語られづらい内容。

序盤の、老刑事の夜→部屋→若刑事の朝→鳥→空→鳥瞰から街と水道→水道上の船から街→捜査シーン、とつながるあたりの淡々とした描写に象徴的にみられる、地味なうねりが無意識を挑発するかんじ。いかにも作劇でございますというようなわかりやすい絡みや因縁はあまりみられず、そのぶんストーリーも難解というよりは、簡単だけどわかりづらいかんじになってるように思える。それが即ちリアルかというとそういうわけでもなく、なにか「リアルっぽいんだけどやっぱりドラマ」感みたいなものとして着地しているかんじ。二回見たらほぼつながった。社会っぽさの表現としてはかなり高度だが、未来未来したフォルムのレイバーは(たぶん意図的に)排斥されている。工事現場に人型機械の姿はない。活躍する重機にはクレーンの印象が強い。人型に似た巨大物は、廃棄物 13 号とパトレイバーしか出てこないんじゃないかな。主人公が特車二課でなく、ふつうの刑事であるからかもしれない。ふつうの刑事とはいっても観客(おれ)あらすれば十分特殊職業のひとではあって、そういった微妙にレイヤをズラした世界観感が丁寧に描かれていると思うし、その楽しみは前作、前々作を見ていればより深まると思う。…というかパトレイバー知らずに本作だけ見ると、不条理映画に見えちゃうかもしれないなあ(←クライマックスに出てくる自衛隊や特車二課のロボットがスーパー兵器すぎて「なにあれ?」と思っちゃうかも)。

あまり解説の必要な映画とは思わなかったが(←わかりづらくないという意味ではなく、仮にわかりづらいことからわからなかったとしても作品を楽しむうえで大した支障にはならないという理解において)、本作の演出意図について詳しく解説してあるページがあったのでリンク。