OUTRUN 2

セガのドリフトだなあ。落ち着く。すごく大雑把なんだけど、実は細かく、奥が深いが、気にしなくてもそれはそれで問題ない。ゲーセンのゲームだ。同じコースを延々走ってても退屈しない。よく調整されている。一発勝負でうまくいってるだけかもしれない。ともかくよくできてる。一日三回適当に走るかんじ。

この感覚はほかにない。セガのドリフトはスルメのように味わいが深い。へんなたとえだけど、ふつうのゲームの車が柔体で曲がるところ、セガの車は剛体で曲がる。柔体と剛体では柔体のほうがしなやかで、剛体だとあまり細かく制御できなかったり、思ったようには曲がれなかったりしそうで、実際セガの車の制御感の取っ掛かりはかなり悪いが、しかし一見して融通利かなそうなセガの車もコツを掴めば意外なほど思ったとおりに曲がる。自由度なさそうなのに自由。すごくタイトだけど全方位への可能性をちゃんと持っているかんじ。そこに到達すると、今度は柔体側のゲームのほうが逆に不自由に思えてくる（簡単なんだけど天井低いかんじっていうか）。いやそんなことはないのだろうが、そんなふうに思えるくらい、セガのドリフトは味がある。それとこの剛体感は「はいはい馬鹿みたいに強いエンジン積んでますヨー」みたいな感覚を支持している。出力に関しては心配するな坊主、100 円入れただけでお前はスペック的に無敵だ、あとは腕次第だ、みたいな。大出力をガンガン浪費しながら贅沢にスピード快楽を追及しているような気分になれる、それも即座に。

とはいっても、これと BURNOUT 3 のどっちをひとに勧めるかっていうと BURNOUT 3 だ。ひさびさに「ゲーセン移植の家庭用ゲーだなあ」と思ったからかもしれない。いまどきのひとにゲーセンゲーの感覚は馴染まないのではないかという危惧がある。それとほとんど同じだが OUTRUN 2 はゲーセンで 100 円入れて遊びたいゲームだからというのもある。ゲーセンでよっぽど楽しんだら XBOX 版も買えばいい。ゲーセンだと今は SP が出ていて、まだフィーリングが変わっている。

あとミニゲーム遊ばないといろんなモードが出ないのは、本道遊ぶために脇道逸れましょうねみたいなかんじで好きじゃない。適当に遊んでたらいつのまにかアンロックしていてくれよ。でなかったらコンテンツダウンロードで追加 500 円とかでアンロックしてくれ。おれはただ単に F40 でダラダラ走りたいだけなんだ。べつに速攻飽きて中古で売ったりリコールしたりとかしないから出し惜しみしないでくれ。あとミニゲーム担当のギャルの絵が、笑ったとき上唇にヒゲがはえてるように見えてそこはちょっとゲンナリする。

XBOX への移植はセガじゃなくてどこか外国の会社だったよなこれ。全般粗いわけじゃないんだけど細かいメニュー操作とかで気になる部分がなくもない。