ゆでたまご
おれが自炊といえばパスタだと再三日記するわけなのだがしかしおれは同時にコレステローラーでもあるのでたまごが大好物であり卵を買ってくるのだが、しかしおれが作るパスタといえばミートソースをナポリタン状に炒めて食うという一択であって、カルボナーラとかああいったかんじで卵を有効活用するような調理法は採らない。なんでかっていうと、作り方知らねえから。めんどくさそうだから。基本的にものを食うというのは健康にいいことなので、現状の調理法だけで十分以上におれの体に役に立つことなのであって、つまりおれもう十分がんばってるじゃんということで、あんまそっから先のバリエーションの努力はめんどくせえから。おれはモノマニアックにも見える人間だが、べつにそれが好きというわけでなく単にめんどくさいからそれしかしたくないという場合のほうが多い。よく飽きないねと言われるが、飽きてしまうとバリエーション増やすためにがんばらなきゃいけなくなるわけだからそんなめんどくさいことするくらいなら飽きないほうがよっぽどマシなのであって、ゆえにおれは飽きない。あんま合理的な説明ではないがかなり正確におれの気分を説明できていると思う。ていうかおれはこの点でまったく経路は違うけど結果的にパンクと一致していると思った（http://punk-manual.cagami.net/punk_manual_step8.shtml#8-2）。
あと完全パンクマニュアルの話に脱線すると、
- STEP10「レコーディングに挑戦だ」：演奏はどうすればいいの？
打ち込みといえば、人々はすぐにテクノをイメージします。
そして、テクノは何故かパンクスから親の仇のように嫌われています。
なぜパンクスがテクノにこれほどの悪感情を持つのか良く分かりませんが、しかし、皆がそう言うのですから、ここは長いものに巻かれるべきです。
打ちこみを使うことはあまりにリスクが大きすぎますので、やはり打ちこみは避けるべきでしょう。
イギリスといえば産業革命に対してラッダイト運動（http://www.tabiken.com/history/doc/T/T037C100.HTM）を生んだ国でもあるわけで、機械的大量再生産を明確な土台とし、システム化の肯定によって成立しているテクノは、労働者階級の怒りの表現としてのパンクにとってまさに身近な敵として認識できるのではないかなと思った。ラッダイト運動を生んだイギリスにおいて、パンクが生まれたのはむしろ必然だったと。かんけいねえか。
まあそんなこんなで話を戻すと、パスタを食ったあとフライパンで目玉焼き状の玉子焼き（大抵目玉がやぶれるので目玉焼きにはならない）を食うとか、めんを茹でてる合間に適当に卵炒めて食うとかいう、あまりコンビネーションになっていないような食い方をせざるをえないので、これもまた正直いってなかなかめんどくさい。なのでパスタは食っても卵は今日めんどくさいからいいやという日もある。そして問題になるのは賞味期限。おれがなぜパスタを食うかといえばその理由のひとつが「材料のまとめ買いと長期保存が可能」であり、卵はそうではないので消費スパンが違う異文明のくいものなのだ。なんか二週間とか。そんなペースで残弾ゼロにしなければならない。好きなときに食って好きじゃないときに食わねえというおれの自炊無計画主義に真っ向から対立する属性。おのれたまご。しかしコレステロールは捨てがたい。飽食と退廃の二十一世紀の悩ましさ。今日明日くらいに食ってしまわないとヤバいと書いてある。ならばどうするか、致し方ない、ゆで卵だ。
おれの場合パスタ以外の調理法は一切知らないといっても過言ではない。炊飯器で米を炊くことすらまんぞくにできない。というか学生時代に一応炊飯ジャーとかも買ってみたことはあるのだが、けっきょく何度試してもうまいごはんが炊けず、おれの心に深い傷を残した。苦い思い出だ。ゆで卵もいちおうやり方は知っているのだがノウハウというかセオリーというか、そのようなものがないので大抵失敗する。なんか茹でてるときに殻にヒビが入って白身がプクプク出てしまうとかそういう。レンジでチンするほうがうまくいく（あれは慎重に加減しないと爆発するのでひとにはオススメできない）。けどまあいまはインターネットがあるので便利。こんな単純な調理にもこれほどのノウハウが！というほど懇切丁寧に解説してくれているサイトとかが簡単にみつけられる。こんなおれでもたぶん失敗せずゆでたまご作れるよ。
…おおむね成功した（食いながら）。けど殻がむきにくい。ツルンといかない。やっぱ「ゆでる前に一日間くらい冷蔵庫から出しておきましょう」を守らないとだめだな。あとさすがに一度に七個とか食うとおなかもふくれる。
