ぐるぐるクリーチャー 2

• 毎度最後のコマで誰かがいう締め台詞「オボエテロ」で有名。
• 「オボエテロ」は、この 10 年弱のあいだ巡り巡った二次元美少女を中核とするオタシーンの空気感を感じさせる台詞で、そこが興味深い。ようするに、「忘れないで」→「覚えていて」→「オボエテロ」が、2 ページ漫画的なドタバタ小状況のオチとしてルール化されているのだ（むりやりエロゲー「Kanon」から引っ張れば、「ボクのこと、忘れてください」←「忘れないで」→「覚えていて」→「オボエテロ」になるし、もちろん「忘れないで」は「ボクハココニイルヨ」と密接に関係している）。狭い空間で波紋が反響しあったかのように相関関係はわかるものの因果関係は不明瞭というような、複雑系オタ的読み解きのむずかしさを思えば、この「オボエテロ」にも何重の意味付けを見出すことができるかちょっと想像できない。そういってしまうとただのメタ話になるが、ぐるぐるクリーチャーはもちろんそんなしちめんどくせえ話ではないのであり、そこがいいところでもある。ドロドロはありつつもそれを紙面に出すことがない。（すくなくとも漫画の仕事上において）石田敦子氏作品とはまったく逆のほうを向いている。