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Quatrains

青梅松竹「Quatrains」

今年3月(http://d.hatena.ne.jp/matakimika/20040314#p1)に買った同人誌の感想を6月のいまになって書くという感想出力キューのたまり具合にめまいがする。

この本は、もともといつだったかの日に青梅松竹氏のサイト(http://b-p.no-ip.org/blosxom/)を見て、なんか気になる絵柄だなーと思って、それがきっかけで買ったもので、この「絵柄が気になって買った本」の感想というのはいはゆる web 日記上の感想様式にはなりづらいものがある(この「感想の書きづらさ」は作品の美点の語りづらさともいえて、「語りやすい作品が普及して語りづらい作品は作り手側でも受けて側でも水脈が断絶する」みたいな、歌謡曲におけるカラオケ文化問題みたいなのと似た現象を象徴してそうだなと思う)。

どちらかというと印象の話だ。

  • 氏がこれまでに発表した「マリア様がみてる」の同人コピー誌のまとめ本。短編7作収録。オフセット。
  • 絵柄から想定していたより、フキダシに対する台詞の文字サイズが大きめだった。ちょっと意外。
  • 絵柄から、サラサラした漫画かなーとおもってたんだけど、やや心情寄りの語り口だったのがおもしろかった。この絵柄のひとが描くキャラの感情線がこんなふうかーという。
  • おはなしの作法は伝統的なやおい漫画のそれに近い。各キャラの心情、起点に戻り、現状の確認がオチ。これは予想の範疇ではあったんだけど、実際読んでみるとなぜかちょっと意外だった。
  • 予想していたとおり、ネームはそんなに厳しくない。けっこう荒組みの時点で見切ってあるかんじ。
  • 仕上げもそんなに丁寧ではない。1枚イラストとページ漫画のクオリティとコストの兼ね合いみたいな部分の調整が利いてる漫画だなーと思った。このあたりは「日曜漫画」問題(http://d.hatena.ne.jp/matakimika/20040408#p1)の正解をいってるかんじで小気味良い印象。
    • 漫画同人誌、同人作者、それぞれを単体ではなく、「同人漫画を描く日常」として同時に捉えるときに、同人作家と同人誌は、それぞれどうあったほうがしあわせなのかみたいな問題。作品や作者は対象として捉えやすいのでそこにフォーカスして思ったり語ったりしやすいんだけど、生産しながら消費するサイクルそれ自体こそが本来同人の実体ではないかという意識というか。このあたりの結論はなかなか出せない。長くひきずると思う。
  • 見開いた左右それぞれのページについての意識はあるけど、あわせて1枚としてのバランスはあんまり取ってないかんじがした。ネームはA4原寸1枚でそのまま切ってるんだろうなと想像(見開いた状態から発する設計思想ではないだろう、ということはたぶん原稿はコピー用紙に鉛筆書きだろうと想像)。

内容。

  • いずれもオチというか最後のコマが印象深い。途中ドロったり青ったりの領域に半歩足をつっこみかけてても、最後でかわいらしくオチるので安心する。絵柄に通じる。いうなればパセリのような。
  • 「明るい学園」で、聖の台詞「このまま行ったら どうなるかな?」のページ、なんとなくおれここでこの話おしまいかなーと思った、ら、ちがって次のページ以降も続いてたのがおもしろかった。