DRAG-ON DRAGOON とグルーヴ地獄V の類似問題
http://d.hatena.ne.jp/matakimika/20031101#p1 でおれは DRAG-ON DRAGOON に関して「このゲームは、構成や操作系などとのかくほとんどすべてまったく違うんだけど、しかしそのプレイ感のようなものがグルーヴ地獄 V のそれと極めて近い」と書いたが、これに関する補足。
グルーヴ地獄 V といって思い出されるのはまずなんといってもその「ジャンル:クソゲー」という広告戦術で、ほとんどそれしか記憶に残っていない(つまりグルーヴ地獄 V を実地にプレイしたわけではない)ひとなどもけっこう居るかんじだし、というかオタ社交レベルでの共有しうる雑談ネタとして浮かぶことといえばまあ確かにそれくらいなのだが、しかしもちろんグルーヴ地獄V の実体はゲームディスクの中身であって、ジャンルがどうとかは体験のレベルではあまり重要なことではない。持って回ったがようするにおれは DRAG-ON DRAGOON を「=ジャンル:クソゲーである」と書きたかったわけではない。そういうことではなくて、中身がグルーヴ地獄 V に似ている。そして DRAG-ON DRAGOON には、グルーヴ地獄 V 式のゲームとしては根本的な欠陥がある。
グルーヴ地獄Vの概要については下記URLを参照されたい。
- http://www.opus.co.jp/products/groove5/(ホームページ)
- http://www.opus.co.jp/products/groove5/stage.html(ステージ解説)
テーブルで並べてみればわかりやすい。なお、「酒」「ツマミ」「遊び」「肴」というのは適当に書いてみただけで特に意図はない。
- | グルーヴ地獄V | DRAG-ON DRAGOON | 内容 |
---|---|---|---|
酒 | 「バイト地獄」 金稼ぎ |
戦闘 (各ステージ) |
理不尽にわかりやすい作業を楽しむモード。 |
ツマミ | 「トモダチ」 ??? |
ストーリー (デモ/ムービー/メニュー等) |
電波ちっくな文章を眺めて楽しむモード。 |
遊び | 「ガチャガチャ」 音ネタ蒐集 |
武器集め (ゲームやデモ等に含まれる) |
細かいものをちまちま集めるモード。 |
肴 | 「ジタク」 | (該当なし) | ちまちま集めたものを使ってフイフイ楽しんでみたりするモード。 |
この表を見ればわかるとおり、DRAG-ON DRAGOON は「ジタクモードがないグルーヴ地獄V」と言うことができる。それゆえにグルーヴ地獄 V ととてもよく似たプレイ感を持ったゲームで、かつまったく及ばない。加圧したプレイヤに対する四次元的(=一見まっとうでない方向への)開放、ジタクモード、ミュージックエディタ、それあってこそ成立する調和を DRAG-ON DRAGOON は備えていない。
ということはつまり、もし DRAG-ON DRAGOON に「集めた武器それぞれが音色を持っていて(レベルによるグレードアップ要素もアリ)、それらを駆使して音楽を編み出してたのしめるモード」があればまったく問題のないゲームになった可能性があるといえる、と思う。まあグルーヴ地獄と違って主人公はファンタスティック世界の王子なんだから、ジタクならぬ自城とか自塔とか、ていうか「武器庫」でいいか、なんかそんなかんじのモードが。ほら主人公の友人が竪琴弾いてたりとかするんだから物語世界的にも合わないことはないと思うし。武器庫モードに入ると、なんか部屋の隅のほうで友人と妹が椅子に座って演奏を聴いてて、いいかんじのメロディになったら拍手喝采してくれて、ヘボまったかんじだと怒って持ってた杯を主人公の頭めがけて投げつけてくるとか。主人公は主人公で杯投げつけられたら八つ当たりで横に突っ立ってる一般兵士を蹴ってストレス解消するボタンがあるとか(当然その一般兵は蹴られたとき規定の音色で悲鳴を上げる)。問題ねえよたぶん。途中までしか知らないからあれだけどもラスボス戦は音ゲーだっていうし。
でなければ…もしくは… DRAG-ON DRAGOON の開発チームこそが、来るべき「グルーヴ地獄 VI」の開発チームとして望みうる最上のチームである、ということだと思う。ほっといてもグルーヴ地獄のようなゲームを作ってしまうようなひとたちが、グルーヴ地獄を作る気でグルーヴ地獄を作ったら、そこにはどんなグルーヴ地獄が待ち受けていることだろうか。
- 参考リンク
- PS「DEPTH」PS「グルーヴ地獄V」SS「テクノモーター」レビュー
- SS「テクノモーター」紹介ページ
あーあとほんと全然関係なくてあれだけどところで、主人公の名前のカイムって「皆無」?ゼロ?零?