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最近の漫画 - 彼氏彼女の事情関連

カレカノ読みながらの感想メモ。

  • 出てくる誰もが才気ある若者ですげえな。ここビバリーヒルズじゃないし白書でもないのに。青春だからか。当時のファン層とか想定してみて、人生いろいろ大変で精神ひんまがった系の女子中高生て、こういう天才まみれの漫画読んでて精神耐えられるわけ?…みたいな素朴な感想が出てこないこともない。「天才のトラウマ、興味あるぅ〜!クキーキキキ、コケカキィキィ!」みたいなかんじで読んでたのかしら…。
  • どうにも、途中から対象読者層が変わった気がしてならない。漫画の描き方が変わったというか。とかいってたら、「初期ノリが好きだったファンには後半不評」とのコメント。なるほど。
  • 「ああ 無垢(イノセント)なとこかな」とかスゲエ台詞。しかし、津田雅美氏の男ホモソーシャルいじりの手法は羽海野チカ氏と同じだな。なんかちょっとタイプの似ている漫画家なのかも。
  • 「鋼の雪」編あたりまでは雪乃が主人公の漫画だと思って読んでたんだけど、彼女のコンフリクトはさっさと解決しちゃったのでむしろ有馬がヒロインになって、カレカノ人気の概要がわかった。んで次々出てくる男性新キャラが、ダークサイドに落ちて有馬のトラウマと一時的に同化しては懊悩を経て離脱して(救済されて)いくというループ。で、ダークサイダーソウルのオリジナルである有馬には最後まで救済が訪れない、したがってこのループにハマっているうちはカレカノは連載終了しない、ということだな。
  • 中高生生活の時は短しだから、そこにストーリー漫画としてイベントを詰め込むため無駄にしていい時間などないはずなのに、二年生後半を大胆にキャンセルしていて格好よかった。というのには、話者切替で時系を行ったり来たりできる構成にしていたからエピソードを時系一本にギュウ詰めする必要がなかったという事情が大きいのだろうけど。それ以前に、二年生期間は連載的にじゅうぶん長かったので、後半スキップはむしろそうでないとダレるという話なのか。
    • 羽海野チカハチミツとクローバー」読んでてそのシングルタスク構造(?→http://d.hatena.ne.jp/matakimika/20041118#p3)にイライラしたのと対照的だったので。いやそういう書き方はアレだが。でもまあおれ羽海野氏が器用なひとだったら竹本が留年したり森田が再入学したりする必要はなかったと思ってるので。まあ作者にはキャラクタを思うとおりに動かす責任とかいいように翻弄する権利とかがあるとも思ってるからアレだけど。
  • 脱線した。ともあれ、有馬がシスの暗黒卿になって俄然おもしろくなってきたー!!!事情が事情ではあるけどそこでドライにもなるのが人間ってもんだろ有馬、とか 00 年代も終えておっさんになったおれの素朴なインプレではあるけど連載時期考えるとこれしかない。筆走っている。正ヒロインどころか、もはや姫やで有馬。
    • しかし、「鋼の雪」を第一部までしか観劇しなかった有馬が暗黒面に落ちて、でも再演で第二部(←それまでのすったもんだを折り込んで大幅に演出を変更したバージョン)まで見て救済、というおれの予想は大胆に外れた。劇でなら「みんなの力と協力で有馬のトラウマに立ち向かうんだー&あたしらの役目はここまでだ最後はヒロインのあんたが救ってやりな」みたいな展開があるからジャンプ的で大勝利だと思ったのに。そういうもんではなかったね。やはり二人の問題は二人で解決するのが正攻法か。
  • 有馬のトラウマと最初に接近して最後まで救済されない浅葉の因業が、最終的に「え?」というアプローチで回収されたのは作者の愛か、はたまたケジメか。おもしろいけどそこだけ大河的スケール感でやや浮いてる気がしなくもない。

…とかなんとか、読み終わった。おもしろかった。一時代の傑作だ。インプレとしては、15 巻以降はほとんど後日談やね。こんなセレブトラウマ話レディコミでやっとれよほんま的な。というよりむしろ、おれの考えている「レディコミ的ななにか」のほうがカレカノを描かせた時代感のようなものに規定されてきたのだ、と捉え直したほうが偽史的でおもしろいのか。