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最近の漫画 - 頭文字 D 関連

漫画も読んでるけど日記してないので駆け足で片付けとこうシリーズ。

  • ギャラリーこそが勝利者だよ話
    • 帯ギュのあとは刃牙かなーと思ったんだけど、寄り道して頭文字 D よんでんだがマジで感動する。レースを見届けるためどこからともなく峠に集まるギャラリーたちの素朴すぎる台詞に。おまえらこそが伝説だよ…ファンタジー生命体だよ…。
    • 彼らの台詞のあまりのピュアさに思わずホロリとしかけた。屈託ねえんだよ。屈託をなくさせるカリスマが先かタマゴが先なのかってのはあるけど。デトロイトメタルシティのギャラリーみたいなタイプとはまた違う。DMC のギャラリーは、煙を巻き上げてそこに本来なかった火を導き出すタイプのギャラリーだが、頭 D のギャラリーがやっていることはもっと素朴だ。なんというか、まさにこうやって、サブカル的な「伝説」は作り出されてゆくのだろうかなー、みたいな。現場に立会い、見届けて、語り継ぐという情熱。
    • 当事者の成し遂げることは、ただそれだけの本質で、それと伝説は直接関係ない。伝説は本質に対する反応で、それはギャラリーが作り出し、あくまでもギャラリーのものである、ということが読んでいてわかった。
    • まったく尊敬できるモチベーションだ。バトルを見届けようと沿道に陣取っても、走行車を見ることができるのはレース一回につき基本的に一度だけ。全体のごく一部、せいぜい数秒の一期一会だ。ゴール地点以外のギャラリーにはどちらが勝ったかも伝聞でしか伝わらない。漫画の読者として、レースの最初の手前から最後のあとまで、マルチアングルで、ドライバーの心理描写まで含めて特等席で眺めることのできるおれとはまったく立場が違う。これがサーキットならまだ周回数ぶんは車を見ることもできるけど、峠だと同じ車が二度通り抜けることはないからな。彼らを駆り立てているのは「迫力に立ち会うこと」「それが本物であること」「証人として伝説を語り継ぐ資格を得ること」らへんだろうが、頭 D がどれほどおもしろくても、漫画としての表現のリーズナブルさを割り引けば、現場のストイックさにおれはついていくことができないだろう。
    • それほどの熱意でもって、しかも自分たちの過剰さゆえに背骨を歪ませることのない、彼らのストイックさを見習いたい。彼らのようにならなければ伝説は見えてこないのだ。その前に伝説ってこの目で見たいものなのかってのはあるとしても。
  • 執拗にセックスしないよ話
    • 頭 D はヤンマガなのに執拗にセックスしないよな。第一部最後のお茶の濁し方がなんとも凄い。ものすごい童貞結界。濃度高すぎて可視化されるような魔法のカーテン。
    • そしてまた第二部になってから一層女っ気なさすぎだろ、もっとバイクを「ぶぁいく」とかいうウザい女が出てきてこそのバリ伝だろと思ってたが、22 巻になってようやく女登場。女登場て。
    • いまでも世間では「車=モテる」みたいな安直な概念でわりあい通用してるところがあると思ってんだけど、その点頭 D は「車だからこそ童貞読者を守ります」みたいなポジションなのかなーと思ったりした。おれが考えていたよりもヤンマガって複雑なのか。
  • そのほかメモ
    • ドライバーにスクリーントーンでオーラが描かれるようになったの何巻からだったか後で調べる。
    • ドライバーのオーラより先に車のオーラ(陽炎ではなく電撃タイプ)が先だったかな。
    • 帯ギュはバーチャ 3 以前みたくヒットサインがほとんどない漫画だったので(4 以降も光源だけでヒットサインの上書きはないが)、頭 D 読んでると、これサイン多くて 2D 格ゲーだよなーって思う。いや帯ギュも効果線は大盛りか。あんまいい筋合いじゃなかったな。
    • 「〜と作者は考えている」でた!次元の壁をぶち破って踏み込んでくる作者語りきた!ここにも漫画を鏡でなくガラスとして扱う漫画テクニックあった!このあたりの「サービス過剰としてのオレオレ感」といい執拗にセックスしないことでの童貞への目配せといい、しげの秀一氏は板垣恵介氏あたりと近いポジションと考えて良いわけなのかもしれんなと思ったりした。板垣恵介氏の場合も、最初から読者への目配せサービスの過剰さがあったわけではなくて、「刃牙」編(最強死刑囚とか出てくる)あたりからコメントが徐々にウザくなってくる。現象化しうるようなヒット作家には、どこかの時点で「あ、ここでこういった期待に応えるのもおれの仕事なんだな」と感覚するところがあるものなんだろうか。