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ドラえもん のび太の新魔界大冒険 七人の魔法使い

ドラ映画

見てきた。おもしろかった。

  • 今回ストーリーも結構がんばってた。原作完全移植でなく、独自アレンジあり。そこはちょっと良し悪しな部分もあるなと思ったが、ちゃんと盛り上がっていたと思うのでよかった。議論のネタになりそうではある。個人的な印象は、「ストイックさは薄まったが、映画としては正解」。
  • 作画は昨年の路線を継承、さらに強まっているように感じられ、すばらしかった。リミテッドアニメーションの幽玄ここにありってかんじだ。是非次世代 DVD でほしい。最初「この線の太さで劇場版大丈夫か?」とか面食らうのだが、すぐに馴染んで、味わいに引き込まれる。デジタルアニメの絵柄開発も本格化しているのであるかな。ゲームも最近は LDRHDR にシフトして二皮くらい剥けつつあるのだが、こっちはこっちですごいことになっている。
    • ドラちゃんの柔体モデルはもはや異界的なレベルに達している。このドラちゃんのドラ物質でできたクッション出たら全人類買うよこれはと思った。22 世紀の材質工学。スポンジのようでもあり魚のようでもありくずあんのようでもあり、なめらかしなやかつややかなフワフワモフモフギニョンギニョン、めくるめくも確かな質感が伝わってくる。アニメーションって自由だなそしてその自由さは職人の力量によって開拓されているものであるな感。
  • 最終上映を見に行ったので子供の客があんまりおらず、対象年齢者の反応はよくわからず。でもまあ子供らしくスポイラーっぷりを発揮していたので微笑ましかった。
  • 監督は寺本幸代氏、作画監督金子志津枝氏。頭張ってるスタッフがどちらも女性だ。
  • とにかくにも美夜子さんが眩しすぎる。ととと年上のおねえさんだ!いや今作の美夜子さんは年齢設定が不詳というか、のび太たちと年齢は確実に違いつつも視線がかなり柔軟というかのび太世代と近いので、年上の「おねえちゃん」というかんじか。あのですねーこの時期の少年はですねーなんだかこのての年上のおねえさんを手助けしたいものなんですよたぶんそれはガンダムにおける「年上の女(ひと)」的ななにかというほど細分化された感情ではなしに。ただもうおねえちゃんが困っているならなんとかしないといけないわけなのだ。で、美夜子さんはそういったイノセントな少年の視線を引き受けるのに必要十分の格。のび太の前にあらわれるおねえちゃんとして子供すぎもせず大人すぎもしない。しずちゃんとの女の子トークのシーンも効果的だ、が、ああいう「自分にはわからない(わかりようのない)場面の存在」は、少年的にはしずちゃんへの嫉妬として理解されるのかもわからんな、だがそれもまたよし!少年よ思い悩めガハハ。いや今おれは誰を笑い飛ばしているんだっていう話だ。
    • この調子で鉄人兵団リメイクしてくれればリルルもすごいことになるのに違いない。
  • いまどきの子供は当時のおれより頭いいだろうからわからんけども、冒頭と最後のパラレルワールド側じゃない満月博士父娘のシーンは、「よく考えたらあれはなんだったんだ?」と思うかもわからんな。一応パラレルワールドと元の世界における魔王星の見え方の違いなど絵的に表現されていたけど、そのへんがうまいこと脳内で結線できないと意味がわからないかも。たぶん「どちらも魔法世界側の満月博士父娘だと思って見ていて、後で思い返してみたらなんか科学っぽいモニタとかキーボードとか機材とかいろいろあった気がするけど、あれはどうしてなんだろうな?あれも魔法で動いていたのかなあ?」とかいうかんじで数ヵ月後にふと思い出されるとか、そんなかんじ。けどそれはそれでいい。全部わからなくても感動できるし、わからなかったことが後になってふとしたきっかけでわかったりするのもよくある事件のひとつになる。
  • 構成としては伏線の部分なので外せないと思うけど、魔王星は灼熱の雲に覆われていて外側からは中が全く見えないんだけど、地上からは雲が透過されて夜空(に浮かぶ衛星)が見えるって部分は原作設定と合致していたっけ?というのはちょっと引っかかった。記憶曖昧。原作読まないとな。夜のシーンで描かれていたかどうか。記憶では描かれてないんだけど…。今作は展開を整理するためか魔王の弱点の位置が原作とかなり全然違うので、そこいらへんに意味が生じてしまっている。
  • 途中参加のドラミが、クライマックスで美夜子に対してほかのメンバ同様の反応をしていてウケた。ドラ映画だからなのか時流のためか対象年齢のためか、おそらくはそのすべての目的意識を大雑把に融合させると今作の基調は「全員一致」なので、このドラミのリアクションは場面的に仕方ないというより正しいが(一応全員の意思がひとつになるシーンで「全員が泣く」ことには引っかかっている、つまり「ひとつになる」ことへの反応が一様であることの寂しさというか、あそこで泣いてないやつも居たほうが、個人の境目を越えてつながっている感が高いんじゃないかと思うのだが、子供向けではないかもしれない)、事情説明はともかく各個の情感までも受け止める時間的余裕があったとも思えないドラミが美夜子に対してここまでの理解を示すというのは、むしろこれこそが 22 世紀ネコ型ロボの本来の性能なのやもしれぬと恐れ入谷の鬼子母神。ていうかドラえもん石化解除シーンにおけるいはゆる「かくかくしかじか」が、じつはあれは作劇的な省略ではなくて設定的にドラ同士の情報圧縮通信になっていてドラミにはドラえもんを通じたこの一件の経緯が、それこそ機械的に了解できていたという話かもしれない
    • そして、ここまで優秀なドラミだからこそ、仮に美夜子−しずちゃんだけでなく美夜子−ドラミのチャンネルも作中に存在していれば、それが美夜子に対してどう作用したかはぜひ想像してみたいところだが、まあそこはあんま絡む筋合いではなかったかなちょっと、ドラミは「ロボ」であり「保護者代理」であり「ドラえもんの妹」であり、それぞれの立ち位置がドラえもん映画に対していまひとつ落着していないかんじがして、うまく絡むことができない気もするし

上演二時間弱くらいだったと思うけどギュウギュウに詰まってるかんじだった。どんどん展開しているのにまだ先があることもわかっていて、大丈夫か終わるのかとへんにハラハラしながら見た。きっちり終わった。いいものを見た。来年もやるそうなので期待。