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単行本を所有することで読むことができなくなる漫画家の漫画

Kにいくつかの漫画をあげた。

今回Kに手持ちの福島聡氏作品をまとめて譲渡できたことによって、昨年からの懸案(http://d.hatena.ne.jp/matakimika/20031105#p1)を解決できた。結局「少年少女」の3巻と「6番目の世界」は、買っただけで読まなかった。買ったこと、本を所有してしまったことが問題だった。おれにとって福島聡氏作品は、「買って読まないか」「ひとんちで読ませてもらうか」の完全二択だ。買うと読まないのだ。しかも持ってる作品のみでなく、それ以外の作品も読まなくなる。おれはオタとしては、福島聡氏的な世界はすでに通過している(この感覚は、いい歳こいたオタが「マリみて」のためにコバルト文庫の棚の前に立つときに抱く心境と同種のものだ)。通過しているとはいってもべつにだからつまらないということはないのだし、見落としや肝心の部分への気付きミスなどもあるかもしれないわけだが(←文字通り「通過しただけ」の可能性)、ともかく、それから随分と時間が経ってしまった今となっては、ありうる取りこぼしも見落としも、単なるミスではなくおれの個性状の要素に数えられる程度には、十分に固着してしまっている。だから、自分の本棚に置いてしまうと読む動機がなくなっていた。

今回Kにあげることで清算できた。カルマを転がして昇華。抱え込む必要のない重量は 1mg たりとも所有すべきでない。積み上げた可能性の山に押しつぶされたくはない。安易な自縛に陥ることなく開放状態を維持しつづけなければ、せっかくある自由も可能性も駆使することなどできはしない。以降のおれは、福島聡氏の作品を読むことができるだろう。とりあえず、Tに「少年少女」の3巻と4巻を読ませてもらおう。

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島本和彦「吠えろペン」8巻については、いつだったかも忘れてしまったが「あーなんか今日はむしょうに島本和彦氏に印税払いてえ気分だなー」と思って買った本で(だから8巻だけしか持ってない)、だからこの本を買ったのは、べつに「この作品を読みたいぜおれは」と思ったわけじゃなく、単に本屋で適当に探して最初に目に付いた島本氏作品だったという理由で、そういう意味では買った時点でそもそもの目的は達成されていたので、内容がおもしろいとかおもしろくないとかいう以前にもうおれが持っておく必要はなかった。