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THE GREAT ESCAPE

THE GREAT ESCAPE

大脱走」。いやー、おもしろい!一癖も二癖もあるきもちのいい連中が知恵と力を結集して大計画。状況・計画・準備・工作・準備・失敗・準備・アクシデント・修正・準備・準備・準備・実行・結果。じっくりとやる。淡々とやる。着々とやる。粛々とやる。黙々とやる。ガツンと一発ぶちかます。男の子的なわくわく感で一杯だ。映画がこんなたのしくていいのか。見た順番でいったら最後にこれと比肩しうるきもちのよさがあった映画といえば「独立愚連隊 西へ」あたりか。あれ最後に見たのは 01 年 01 月だから二年と八ヶ月ぶり。

ところで、いままで全然意識したことなかったんだけどこの映画て主要登場人物全員男なのな。というか一言でも台詞のある役は全員男。女はこの世界には「居ない」と言ってもいい。場面のほとんどが戦争捕虜収容所内になるのでそれが自然といえばそうなんだろうけども、脱走後の街中の描写などでも女はほとんど姿を見せず、せいぜい通行人とかそんな程度で、しかもおばさんとか老婆とかばかり。年頃の娘はおりませんかー。

大脱走という作品にはそういう一面もあったってことでいいのか。まあ衆道っていうようなじめっとしたかんじじゃないな。ゲイだ。相手を突き放したり否定したりしない、陽気な粘り強さとも合致する。考えてみればすべてつながっている。なんでいままで気付かなかった。おれの目の前でこの映画はこれまでに何度も脱走に成功し、しかもぬけぬけと戻ってきてみせていたのだ。夜が更けてから、朝が来る前に。この両眼のなんたる節穴っぷり!監視塔の死角発見。男所帯の、軍隊もので。刑務所みたいなもんだし。小学校の頃から何度も見ていた映画なので油断もあった。だが、次からはもう油断しない。

もういっぺんそういう視点で見直してみよう。それやんないとこの映画のほんとに痛快な部分をわかったことにはならない気がする。今度こそ逃さん、敵は友情だけではない。地上からフェンスを越えるだけとは限らんのだ。地下にトンネルを巡らせているかもしれん!もちろん愛情がすべてでもなく、むしろそれは一面でしかなく、友情や忠誠心、個人的な闘志もあるだろうが、そうであってもやはり、250 人もの脱走を計画し準備し、実行する過程においてはそこに愛情の存在を見込んだほうが自然だ。そういった個々人の心の動きを読み解くためには、これから何度も思い込みや決め付けを含みつつ違った見解を出し、それらを戦わせて妥当な解に近づけていく必要があるだろう。

あー、となると気になるのはたとえば「やおいのひとの「大脱走」観」などだな。どのみち正解などはないだろうが、正解のないものの(であればこそ)読み筋をたくさん知っておくのは悪いことじゃない。