ほりえもんそっくりさん
立ち寄ったコンビニで、堀江貴文氏によく似たひとを見かけてびっくりした。まさか。こんなところにほりえもんが。馬鹿な。いやありえなくはない。都内だし。でもなんかそうめん買ってるぞ。ほりえもんがコンビニでそうめん買うか?買いそうな気もするが。まあ違うだろう。たぶん身長が違う。TV ごしとかなので記憶曖昧というか、当然だが TV カメラはそれを持っているひとの身長と視線に依存し、それはおれの身長と視線とは別なので錯覚を生じやすいが、報道などで見かけたほりえもん氏と現在おれの目の前を通り過ぎて行くほりえもん氏によく似たひととでは、棚とかドアノブの高さ対して肩や腰の位置がちょっと違う。あと肩幅と頭のデカさも。このひとは多少頭が小さい。人間太ったり痩せたり髪型変わったりとかでかなり印象変わるけど、頭蓋とデカさと肩幅は骨の問題なのでそうそう変わらない。そこが違う。したがってこいつはほりえもんではない。偽者だ。偽堀江め!
…馬鹿な。なにが偽堀江か。ひとは自分以外の誰かになれない。このひとはもとからたとえば鈴木(本物)氏であるとか(真の)田中氏であるとか以外のなにものでもなく、そもそも堀江(偽者)氏などではないのだ。おれの脳内にだけある虚像だ。脳内と脳外を混同して、偽者のレッテルを投射している。失礼である。投影に惑わされるな。実存をみよ。あ、おでん注文してる。声は全然似てないな。やっぱほりえもんじゃないな。ふつうのひとだ。たぶん山本さんとかそういうかんじだ。木村さんかもしれない。玉子はいっぺんに四つも食うものじゃないですよ山田さん。おれは食うけど。だっておれはコレステローラーだから。
GOD SAVE THE すげこまくん!
ひさびさに、永野のりこ「GOD SAVE THE すげこまくん!」を途中から途中まで読んだ。ひどくておもしろかった。おもしろかったのだが、しかし現代にこれを読むとなぜだか同時に哀しいような気分も覚えてしまうのはなぜだろうか。当時メタギャグでしかなかったものが、現実にネットのアレな界隈などを見ているうちに洒落で済まなくなってきたという印象が、おれの中に澱んでいるからだろうか。天才で馬鹿で他愛のないすげこまくんの背中が漫画から現実のものとなったときの、なんといいようもない気分が。