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かわいい戦争

前の職場の近所のコンビニで、「かわいい」以外の言語をほとんど使わず会話している女子高生の集団に出くわしたことがあって、まあ噂レベルでなら聞いていたけどこの界隈に実際こんな人類が居たのかとショックだったので、しばらく店内に留まって話を聞いていたんだけど(彼女たちはすごい大声でしゃべってるので店内のどこに居ても会話は明瞭に聞き取れた)、結局おれが諦めて店を出るまでの10分〜15分くらいの間彼女たちは、ファッション雑誌をパラパラめくったりしながら(←立ち読み)「これどお?」「やだかわいいー」「かわいいかわいいー」「かわいいよねー」「こっちもかわいいー」「えーほんとかわいいー」「これはー?」「これもかわいいー」「かわいい」「やっぱりこっちのほうがかわいいー」「かーわーいーいー」「かわいー」というようなテンションで会話し続けたまま、こいつらあれか一生分の「かわいい」の言霊を、今この場で全部吐き出していくつもりかみたいな構えで、とにかく圧倒された。

万能語「かわいい」は、そのほかの形容を退化させるのでアレだみたいな話もありつつ、その抑揚によるバリエーションに様々な意味を織り込んだ活用は、これはこれで高度だよなーと思った。あと、ああまで高度化してしまう女子高生集団の会話というものは、多くの場合彼女たちにとってあれこそがまさに戦闘であり、コンビニの雑誌コーナーが戦場であったからなのだろうなあと思ってみれば(傍から見える馬鹿らしさから、あの場には国際政治並のシリアスさが同居しているのだろうと類推できる)、女子高生必死だなというか、あれも大変なんだろうなあというような、同じ人類として抱くことのできる最低限の同情というか共感というか、そういう感想を持たなくもなかった(「おれは人類であり、ということはこいつらも同様に人類である」ということ)。

それを踏まえて、オタショップでアニメ雑誌とか見ながら(←立ち読み)「これどお?」「うわ萌えー」「萌え萌え〜」「萌るよねー」「こっちも萌えー」「えーほんと萌えるー」「これはー?」「これも萌え〜」「萌え」「やっぱりこっちのほうが萌える」「もーえー」「萌えー」とかやってるオタ集団が居た場合を想定してみると、あんま共感できる余地がなさそうな気がしてしまったのは、同性ゆえか。ジェンダー問題はむずかしいなあ。んじゃ女子高生が「かわいい」のかわりに全部「萌え」つってたらどうなのか。

bokukowa

Lさんが「純度の高い良質なショタやおい映画」と褒めていた「僕は怖くない」なんだけども、公式サイトのURLの最後が「bokukowa」で、それはどうなのよと思った。愛称「僕怖」?そんな4コマまんがみたいな消費感を背負わせてしまってもいいのか公式に。

六番目の小夜子

あーなんか今日帰りの電車で読む本ねえかなーと適当に本屋を巡回中に、最近ネットで恩田陸木曜組曲」の感想(http://spica.tdiary.net/20040514.html#p23)を読んだことを思い出して、ああそういえば恩田陸氏の本は、サラサラ読めるしてきとうにいい具合かもわからんなーと、目にとまった「六番目の小夜子」をつまんでみたところ、これが非常にいい具合だった。おもしろくすがすがしい。映像前提の描写などがたまにあってそこいらへんには戸惑うんだけど、それもまあ気になるほどではないし、ちかごろ悪文ばかり読んでいたこともあって、恩田氏の(べつに氏に限ったことでなくプロの作家ならあたりまえのことなんだろうけど)読んでて疲れない文章は、なによりありがたかった。

あれだなー今野緒雪マリア様がみてる」でひさびさに文章に戻ってきたオタは、またぞろ恩田陸氏作品あたりからリハビリしていくといいんじゃないかなと思った。