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パトレイバー 1&2 視聴

パト 2 後藤隊長

このへん(http://d.hatena.ne.jp/matakimika/20080702#p1)から宿題だった機動警察パトレイバー THE MOVIE の 1 と 2 を視聴。おもしろかったー。以下視聴メモ。

  • 1 を見ていて、ビューティフルドリーマー分がこれほど濃厚だったかとびっくり。近いうち再度、BD →パト 1 →パト 2 と上映マラソンするかな。
  • パト 1 はビューティフルドリーマーと同じモチーフとかかなり出てくるし、ノリやキャラの崩し方も地続きだけど、等身は上げてあって主題も青春群像に社会が絡んでる。そして 2 はパト 1 と地続きだけど BD からは続いていない。目のサイズも 1 では結構でかかったけど 2 ではほとんどデフォルメがない。
  • 1 の頃は、まだ時代的に企業の専用線とか閉じたネットワークばかりだったから良かったてかんじか。世の中がインターネットまみれになって以降に帆場の犯罪が実行されていたら世界規模の大惨事に。それでいうとパトレイバーの型式の 98 式 AV てのも、たぶん PC9801 の 98 で、DOS/V 普及以前なんだよなー。あれから世の中変わったよな。
  • 篠原の頑張りのロスの多さはいっそ清々しい。最終的にはそれが実って決戦のゴーが出ることになるわけだけど、諸星あたる時代に積み重なった因業のツケを、明日馬として支払わされているかのようなかんじに見えた。しかしまあ、1 の篠原は努力の量としては主人公していて、かつそれが事態の好転に寄与しないあたりがストーリーとしてひねくれているし、またさまざまなバランスのうえで、篠原が主人公になりきれない限界を見せているなーと思う。パトレイバーは、シリーズとしては、泉が主人公だしな。劇場版 1 においては、篠原と後藤の二人三脚で一人分、といったところか。
  • パト 2 で、荒川の詩的なトークに対して後藤が「そろそろ仕事の話、しません?」と言う遣り取りがあって笑った。「イノセンス」のトグサの役回り(http://d.hatena.ne.jp/matakimika/20080117#p1)が、そういや伊藤和典氏脚本のパト 2 で既にあったか。
  • 外見が宮崎駿氏っぽいと個人的に思ってるんだけど、べつにあんま関係なさそうだよな柘植。
  • 「結局おれには、連中だけか」と言うときの後藤のカット、ラノベの主人公っぽいわー。後ろの煙突(?)もギリシャ円柱っぽく見えるようカットしてあるし。
    • パト 2 | 後藤
    • この「ラノベの主人公っぽい」て表現はおれ周辺ローカル語で、「なんかわかりやすくバキっとしたレイアウトが決まってるかんじ」のとき使う。ほかの用例でいうと、劇場版ヱヴァンゲリヲン追加カットの「家出してみたけど第三新東京市から脱出できず、NERV 職員のひとたちが待ち構えているトンネルのほうに振り返る碇シンジ」の絵とか。放映後の考察ブームの影響が多分にあるからだと思うんだけど、純文苦悩系キャラの印象の強かった碇シンジの内面→外面描写として、あのカットは軽薄面で強烈なカウンターになったと思う。
  • パト 1 から 2 への変化っていろいろあって表現しづらい。1 には「お祭り」感があって、2 にはない。そのお祭り感は、ビューティフルドリーマーから続いていると思う。1 の東京には下町があって、お祭り騒ぎを下支えする江戸っ子っぽさがあるけど(とくに冒頭のレイバー暴走シーンでは、付近住民・上空のヘリ・避難誘導の警官・暴走レイバーの乗員など、ハレ側のテンションで状況に接している)、2 の東京は江戸っ子を感じない。榊の家の前の描写一回きりだ。1 のシナリオの精緻さはエンタテインメントを指向するが(シナリオ的にはまったく無意味な 98 式と 00 式の対決とか)、2 はー…違うものを目指しているように思う、それがなにかはよくわからん、なんともいえん。
  • 1 のストーリー進行のモーレツっぷりというか、「あーバブル崩壊前だねー」というハイテンションな展開は、2 すら過去のものになった現在には、あまりに遠すぎてつかみどころがない。「警察活動と正義の味方は必ずしも一致しない」の表現として、二週間の謹慎食らうってのはどーよみたいな。
  • 1 の直接の敵は「機械の暴走」だったけど、2 の敵は人間だ。人間を敵に回して無邪気ではいられないし、戦争する気の相手には洒落も通じないというかなー。

あと今回改めて確認したが、1 のタイトル出た次のシーンで篠原と泉が乗ってるヘリと、2 の最後の南雲と柘植が乗るヘリは多分同型。無駄に二重反転ローターだから印象に残ってた。東京湾上空のヘリではじまり東京湾上空のヘリで終わる、ここでループしてるんだから、そりゃ続編なんか作らんぞということよな。

  • パト 1 パト 2

あれ、外装はほぼ同じだけど、内装は全然違うな。1 でオッサンが振り返るカットと、2 で松井が振り返るカット。

  • パト 1 パト 2

2 のヘリは、窓の部分がおかしいよな。あの外装だとこんな真ん中の柱が細いわけない。…とか Twitter でぶつくさ言ってたら加野瀬氏からつっこみが。

ヘリが同じってのは、単に 1 でデザインしたヘリを 2 に流用しただけだと思ってた!

パト 1 のヘルハウンドを押井氏がかなり気に入っていたから、2 でも登場したけど、その際にデザイナーである河森氏に 1 でデザインしたヘリをすべて再度利用させてもらう許諾を取ったのではないかとも想像

あ、1 と 2 は登場する戦闘ヘリも同デザインか。河森氏の仕事なんすなー。

  • パト 1 パト 2

あと先日自アンで指摘されていた、1 のヘリのシーンで「「見えましたよ、5 時の方向」と言われて 2 時の方向を見る篠原&泉」というポイントもちゃんとチェックした。たしかにこれは変。とはいえ、このあたりの説明シーンは間的に結構へんなところがあるので(零式のシーン、「ヘルメットを先に脱ぎ、片腕+両足で鉄棒を滑って降りてくる南雲(両手使って降りてからヘルメット脱いだほうが安全じゃね?)」とか「南雲との対面会話から同位置でヒソヒソ話&解説台詞モードに入る篠原&泉、そしてそういう彼らを前に黙って突っ立ってる南雲」など)、べつにだからどうだってことではない。

あと、同じ項でみかけて「へぇ」と思った指摘。

  • 自アン+「「10時の方角 から接近中」←キモキモキッショイ」箱「ああ、見えてきましたよ、5時の方向」項より引用

ヘリでは稀に頭上を12時と言ってます。通常は航空機も水平方向は船舶同様、方位で伝達します。それと時計方向というのは軍オタ的にはカッコいい演出なのでしょうが、三次元な動きが特に容易なヘリで常識のある普通の人は使いません。

喋ってる男の位置からだと、進行方向を 12 時と仮定した場合 5 時の方向は見えない。頭上を 12 時とした場合にはおそらく男の座席から見下すことができて、でもそれだと篠原と泉が覗く窓が逆側だ。むーん。