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おおかみこどもの雨と雪

温泉あがってホカホカツヤツヤ肌状態のままレイトショー行ってみてきた。なんかこー!とくに!

奥さんと二人して、ものすごい勢いで首をかしげながら劇場出て喫煙所直行という経路を経ての、とりあえずのインプレ。

  • なんとなく絵柄が「エイリアン 9」の富沢ひとし氏を連想してしょうがなかった。
  • 隣の席に居た、女子をこじらせたようなかんじのひとがクライマックス的なシーン以降ズビジョバ泣いてた。なんか刺さるひとには刺さるもんがあるのかもしれん。
  • 焼き鳥にタレをつけるのはセックスの隠喩!!!
  • とりあえずあの狼男のようには死ぬまいと思った。
  • 狼男と狼嫁の身長差がちょうどおれと奥さんくらいだったのも、なんかちょっと神妙になった。
  • 狼嫁、田舎にひきこもって自活しててもまったく日焼けしないのでたぶん妖怪の末裔。

以下、ごちゃごちゃと雑多にネタバレ全開感想。日記遅延の影響で公開から一ヶ月くらいは経ってるし、もう span class "spoiler" で囲わなくていいよね?と思ったんだけど一応囲んでおくか…。

  • 幼児期には引っ込み思案な息子より活発な娘のほうが狼っぽかったが、結局人間として生きるか狼として生きるかは「人間としてのコミュ力」で決定されてんのかもなーと思った、人付き合いの苦手な息子のほうが獣付き合いは得意だったというか。
  • 本編の十年後くらいに、姉弟は再会するんじゃねーかなーと思った。なるべく純血に近い子孫を残すための近親相姦を弟に求められ、それを拒む恋人付きの姉。NTR 展開ワンチャンあるでこれ。
  • それにつけても父親の死に様はひどく、笑うしかない。あれは神妙になった。彼はひととして育てられたが人間社会に馴染むことはなかったので、ケモノとして死んだ。ケモノとしての死は人間社会の中ではまったく意味を解釈しようもなく、滑稽ですらあって、本当にひどいとしかいいようがない。
    • そのインパクトをもって、ますます母親の子育てについての自閉へと向かわせるモチベーションにしているのかもだが、それ以前の問題として彼女は助産師さえなしで自宅出産してんだよね。だからあれがきっかけとなる事件とはいえない。犬系だから易産、みたいな謎設定でもあるんだろうか?にしても度胸とかではないよねーもはやこれは。社会の中で暮らしつつそこに与さないという決意だ。母親としてどうこうではなく、まず人間としてそういう生き物なのだ。
  • というか、一人目生んだあと速攻二人目仕込んだってことになってるので、強気すぎんだろこいつらという恐怖感すらある(鑑賞前は、てっきり双子だと思ってたよ!)。避妊云々は置くとしても、まずは一人目をうまく育てられるかどうか慎重に、みたいなの、なかったんだろうねー。そこはどちらかといえば、パパがアニマルだったから、ということだろうね。人間の思考ではないというか。べつに母親に「これならいけるぜ!ガンガン産むよー」みたいなテンションはなかっただろうし。
  • 親にすら相談しない、というか出産して旦那死んでるのに親元を頼るみたいな発想が出てこないのも驚いた。親族ナシ。天涯孤独感。片親家庭と思ってたんだけど、母親みなしごだったっけ?母親の母親は居たんじゃないの?それとも親戚一同が Hagex 物件系すぎて頼れない?この女最初からニホンオオカミなみに孤独じゃね?
    • 公式サイト(→http://www.ookamikodomo.jp/cast/images/cast01_popup.jpg)みたら、「本作の主人公。父子家庭に育つが、高校生の時に父親を亡くし天涯孤独の身となる」とあった。なるほど、だから出産のとき母親に相談とかそういうオプションがなかったのか。父親が死んだって話は覚えてたけど、両親とも死んでるって説明は聞き落としてたよ。
    • で、娘の自立の対になる男子、あいつは母親は境遇の対称ってことになるの?
  • とにかく狼ママの「謎の粛々とした行動モチベーション」が怖い、というか気持ち悪い。けっこう流されやすく生きているというか、それなりにやってんだけど、とにかく「起こったことを受け入れる」粘り強さがすごいんだよね。もうちょっと決意表明とかハキハキしたところがあるのかと思うのに、とにかく波風なくひたすら対処的に生きていく。優等生的な不屈さ。感情の揺れのなさが不自然で、そこをキャラクタとして嫌悪してしまうのかもだ。もちろん、こんなふうに波風を押さえ込んで日常系的にすべてのイベントを受け容れていければ、それはそれでかっこいいようなきはするが。
    • 親が死んで自活しなければならなかった、という経験から、基本的に「人生というのはひたすらなにかが自分に降りかかってきて、それに対処しつづけること」みたいな諦観みたいなもんがありそう。ひたすら受け容れて、それから考えるというプロレス哲学の体現者。
    • あと「社会の中にまぎれつつ、そこに与さないで生きていく」の姿として、「他人との付き合いは最低限のコミュニケーションで済ませ、必要な知識は本読んで吸収する」というへんに生々しいリアリティは、なんだか納得だし怖さの原因でもあった。たしかに「ひとに訊く前に自分で調べない人間」がおれは嫌いだが、「調べたあと知ってるひとに確認しない人間」もそれはそれで正しい姿ではないように思う。こいつたぶん世界最終戦争後の荒野でも、まったくおなじテンションで自活してるよと思えて…。
  • クライマックスの嵐の夜、娘を迎えに行くのと息子を追い掛けるのの二択で一瞬の躊躇もなく息子追っかけるほうを選んでいるのは、むろん娘を放置してでも息子を追いかけたほうが状況的にベターであるというのは見ててわかるが、そんなものよりは「長男教」「ムチュコタン」みたいなワードのほうが脳裏をよぎって集中できなかった Hagex 脳。というよりも、むしろあのとき母親は息子の中に旦那、というよりオスのオオカミを見ていたよなたぶん?あれはなんというか、ちょっと怖いな、ひとに産まれた息子としてはな。
  • 娘が進学して一人暮らしになっても家を離れないのだって、基本的には「そこに住んでいれば息子の近くにいられる」からだし、あるいは「あるとき息子が帰ってくるかもしれないから」だよな?10 年後の姉弟再会 NTR SS のほかに母子姦の可能性も見えてきて母性こわい。おれは逃げたい。
  • で、この話、娘視点での回顧として描かれるのにもかかわらず、最後に「回顧が終わって現在の娘が出てくる」シーケンスがないのが、スゲーーーー気になった!!どうして現在の娘が出てこないの?気になるやん。母親と息子が出てこないのはまだいいとして、せめて話者の現在は描けよ。人間社会でうまくやってんの?母親との関係はどうなってんの?寮制の学校行ったのはぎこちなくなったからとかではなく?あの男の子とはどうなったの?なんにもないの?ウルフ三世としてどう生きてんの
  • 転校生の母親(CV:林原めぐみ氏)がモンスター親なわりに再婚夫とのあいだに子供出来たら連れ子不要とかこれまた Hagex 脳を励起する…あの趣味のよさそうで悪そうなでかい金色のネックレスの演出、うまイヤらしいねー。
  • あと娘の自立に関して「夜の学校のシーン、絶対セックスしてるよね!」説には反対したい。パパママがセックスする晩、ママはパパの変身を直接みるやん。でも少年は娘の変身をベール(カーテンだけど)ごしにしか見ないのね。いちばんいやらしいシーンが隠蔽されてんのよ。あんなロマンチックな演出でセックスにまで至るわきゃねえんだよ。あすこでむしろカーテンめくって歩み寄るくらいの演出があれば、それはセックスだけど。「少女=幻想的=うつくしい=清い」みたいなカーテン演出がロゲロゲロー!プピー!美少女ファンタジーきんもー!きんもー!もー!…てなるならわかるが、あれがセックスに至る演出だとは到底見えないし、あの前にセックスがあったともまったく思えない。
  • 人狼がなんのメタファになりうるか、という問題については、妄想を進めると「オウム真理教の子供世代」みたいな読みも可能になって、輪るピングドラムと並べてどうこう、みたいな評論もできなくはない?でも、そう読んじゃうと、ぜんぜんいい話ではないかもなー。…でもまあ、生物多様性みたいなアレで、なりたいように育ったらええがな、という方針もアリっちゃアリなのかもだから、将来、狼人間や狐人間や狸人間や鮭人間などに分化して、親戚が集まっても共通言語がなくなってコミュニケーションできなくなった大家族もののディアスポラサマーウォーズ、みたいな続編を妄想してみるのも一興。
  • 家の畑が荒らされないのはおおかみこどもが居るから、とすれば、子供の居なくなった家の畑は荒らされるようになるよな。エンディング後のお母さんたいへんそう。
  • 水、波ガラスのモチーフは延々出てくるねー。なんの意味があるのかわからんけど。
  • 今回みてて、やべーおれもだいぶ上手下手(かみてしもて)に呪われてきたなーと思った。今回でいうと左側に進む、進もうとする意思は「人間ルート」で、右側にすすむのは「狼ルート」ということだよな?とりあえずの見せ場は、娘が延々左側に逃げるのに、事情のわかってない転校生が無神経に追いかけ続けて右向かせるシーンとかだよな。越境(水をまたぐ、奥から手前に来る)はまだわからん。
  • 男はヨレヨレ白シャツに青パンはいてりゃオスになるでー。というこのスタイルは、もしかするとセーラーマーキュリー水野亜美の好みのスタイル(セーラー戦士が妄想シチュをダラダラ喋るイメージ CD がむかし売ってあった)かもだぜー。な、なんだこの気味の悪い 90 年代感。水野亜美は浦和くんとでもイチャイチャしてればいいじゃない。

とかなんとか。