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アイマスは別にギャルゲーとして退行しているわけではない - The Real Dating Simulator 2 リバイバル

先日、といっても日付的には未来になるんだが 04/11 あたりにインターネットのひとと OFF 会をやって、おもしろかったのだけど、そのときアイドルマスターの話題で「ギャルゲーも、ときメモとかガンパレとか色々出たけどアイマスはシステム的にはプリメ時代まで退行してるね」みたいな発言が出たので、それは違ーいーまーすー 古 式 ゆ か り で ご ざ い ま す ー、と脊髄反射で話の腰を折りに行ってから、一息ついて脳内で軽く左手の甲に封印した邪龍を押さえ込み、うーんしかし違うと言ってしまうほどのことでもないよなー…とか思ったりして、でも「違います」と言ってしまった以上はどう違うのか説明しないと格好がつかないので、あんまゲーオタでもなさげなひとにもわかるようにざっくり語った。その内容を軽くメモ。

というかこの話は以前(奇しくも四年前の同日か→http://d.hatena.ne.jp/matakimika/20050407#p1)ひととおり書いており、付け加わった新しい視点とかは無い。なにも付け加えないのはアレだから、今回は図を描いた。

まずは「プリンセスメーカー」。1991 年。育成 SLG。「ギャルは良い→だからギャルを育成」と直結している。ヒロインを自由に育てて、さまざまな未来へ分岐。マルチエンディング、そして大目的にプリンセス。

  • 図 1

で、次は「ときめきメモリアル」、1994 年。恋愛 SLGときメモは「プリンセスメーカーをひっくりかえしたゲームシステム」として説明できる。具体的には、育成対象の性別をひっくりかえすことで革命を起こした。つまりこうだ。

  • 図 2

男なんか育成してなにが楽しいんだ、というのは浅はかな考えで。「ギャルは良い→主人公を育成→お目当てのギャルと仲良く」と一段ステップを増やし、その増やしたステップを「恋愛」と説明したために、ときメモは恋愛 SLG となった。

つまりこう。

  • 図 3

プリメでいうところのマルチエンディングの位置に各ヒロインが配置され、主人公の成長が、各ヒロイン個別の END に分岐するわけやね。変容するのが主人公であるため、ギャルは属性固定となり、プリメのような多様さを出すのは不可能になるけど、そのぶん「もともと属性の違うギャル」をたくさん出すことで対応、にぎやかし的にも正義。…もちろんこれは、後につづくポストモダンがどうのこうのという「属性によるキャラクタ消費」言説を思いっきり下支えしているシステムで、あまり指摘されないけどこの「マルチヒロイン=マルチエンディング」直結型のプリミティブなゲームデザイン据え置きでシーンが発展を遂げてしまった功罪は相当デカいんじゃないかと思ったりしているんだけど余談(→ときメモがまったく評価されなかったという仮定での 90 年代ギャルゲー仮想戦記語りは詳しいひとに任せた!)。

で、プリメをひっくり返したら恋愛 SLG になるんだー、という発明以外にも、じつはもういっこプリメのシステムをひっくり返すことで登場したゲームジャンルがあって、こちらは家庭用ゲームでなく PC 用エロゲーで細々と発展した。

  • 図 4

プリメの「一人のヒロインの未来を自由に分岐させるシステム」をひっくりかえすと、「複数人のヒロインをひとつの未来に収束させるシステム」になる。つまり、育成 SLG から調教 SLG へ、という変化がこれだ。ここにおいても、属性住み分けしたマルチヒロイン制の問題が絡んできたりするわけだが省略。あと調教ゲーは調教ゲーで結構奥が深くその解釈において適当なこといってると斧が飛んでくるらしいので軽く流すけど、調教ゲーにおける複雑さってのは育成ゲーのそれとは質が違って、マルチエンディングというより多層化という認識のほうが近いんじゃないだろうか。たとえばこんな。

  • 図 5

語りえる、思いこめる領域はいろいろあるんだろうけど、ともあれ調教 SLG は育成 SLG と比べて、開発コストを計算しやすいというのが利点だ(という部分から逆算すると、プリメは PC ゲー的な「志の高さ」を持ったタイトルだったということだね)。…いますごく現実的なところに着地した気がするけど、iPhone で作図したりとかしてもう結構疲れてるのでそのままの勢いでつづくぜ。アイドルマスター

  • 図 6

はい、この形見覚えありますネー。アイマスは基本的に、プリメのように多様な分岐を善とする育成 SIM ではなく、明白なひとつの目標へ向けて集束していく調教 SIM 的なデザインといえて、その設計しやすさ・リソースのまとめやすさはゲーセンというロケーションへの最適化の過程においても活用されたのであろう、とかなんとか妄想しておくほうが適切なんじゃないかなーと思った、というようなかんじだ。