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STARSHIP TROOPERS 3 : MARAUDER

STARSHIP TROOPERS 3

見てきた。普通におもしろかったので、ちょっと困った。たぶんスカイクロラ見に行くよりは意義があったろうと思う。

  • なにせあの STARSHIP TROOPERS の三作目である。「あの」にはよく知られるとおり「あの一作目の」という意味に加えて「あの二作目の」という意味が不可分に溶け合っている。ただこのシリーズには疑いなく、作り手の剥き出しの「作るんだ」感が通底している。結果からいえば、見てよかった。おもしろかったし。
  • なんといっても予算に関する噂は避けて通るわけにいかない。一作目は大作映画にふさわしくドーンと 100 億円!そこからジェットコースターで二作目は(TV 映画だったので)いきなり 5 億円!前作比 1/20!ドーン…!圧倒的な明るい平原のスペクタクル映画が、暗い密室エイリアンサスペンスに急転直下。家庭用ゲームに喩えると、XBOX 360 向けの新作を SS に無理矢理移植するようなかんじ。いやでもそれはそれで好きだけど。そして今作ではなんと 3 倍の予算を投じて大作映画のカテゴリに復帰…って 1 と 2 どっちに対する三倍?と思って調べたら 2 の 3 倍だって。まあそりゃ 300 億とかありえんよね。じゃあ 100 億× 1/20 × 3 で 15 億円くらい?…とはいっても、まあ、日本の特撮映画と比べれば遜色ないかんじするけど。平成ガメラとか 5 〜 7 億とかで作ってるはずだし。
  • 日本とアメリカの映画で大きく予算割の違う部分ってたぶん出演料なんだろうと思ってんだけど、どんなもんかな。アメリカの俳優のギャラが凄いので、同じくらいの予算だと日本の映画のほうが全体的に撮影にお金を使えたりするんか。でもマイナーな俳優使ってるぶんにはアメリカでもそれほどはお金かからんような気もするしな。場合によるのか。
  • あと、予算が低ければ当然絵作りに回せる金が減るので、画面のショボさに直結するわけなんだけど、それと別に CG ムービーには PC スペック向上と低価格化に伴って制作コストが低くなるという面もなくはない(ただし、その時点でできそうもないことに挑戦することにより、予算は指数関数的に上る)。どんな時でも一番金かかってるのは人件費で(俳優のギャラを除外しても)、そしてコンピュータは人間じゃないので、導入と維持のための費用はかかるけど給料を支払う必要はない。もちろんいい結果を出すにはコンピュータにいい仕事をさせる職人が不可欠だけど、技能に対して支払うお金はわりと時価というか、全体の水準が低ければ高い技能をもった職人は高級取りで、全体の水準が上ってくればそこそこの人材を安く抱えることも可能になってくるという。
  • VFX はアナログな特殊効果などてんこもりで、CG のみによって完結するものではないから、そこだけどうにかしても仕方ないんだろうけど。なんか数式とか提案されてないのかな。ムーアの法則みたいなかんじで。同じくらいの絵を作るために必要なコストは n ヶ月で 1/n になる、みたいなの。CG の場合予算の問題と別に納期の問題もあるから単純じゃないか。じゃあ同じ絵作るためのレンダリング時間は n ヶ月で 1/n になるの法則。あと同じ絵作れるアーティストの給料は EA 社が訴訟覚悟でカットするの法則とか。妊婦が十人居たからって一ヶ月で子供は生まれませんゾみたいな。
  • で、特撮映画としての出来がどうだったのかというとー…、悪くはなかった。「こいつら(制作スタッフたち)はまともじゃない、狂ってる」みたいな感じを受けることはできないけど、べつになー。ガッカリとか全然しないよ。逆にある程度のガッカリを折り込んで臨んだから肩透かしを食ったようなかんじ。いいじゃんこれ。マローダーかっこいいし。ダサくねえんだよ。なるほどってかんじ。「所詮メリケンが発想できるロボってのはこのあたりまでだな」感とかはありつつも。降下シーン(だよな?)などほとんど神々しくさえあった。
  • いはゆるカテゴリ「低予算」というのは、なんとなく視聴しつつ息切れを心配してしまうという意味だから、見てる側の態度としてなんか邪道な気がしてしまうなー。だいいち、映画として完成しているからこそ公開しているわけで、その時点で「辿り着けませんでした」は無い。最悪でないなら、どうれあれ「これでよし」と制作者が決定したことなんだから見る側がヤキモキする部分ではないよなという。とはいえ、そういう見方にもそれなりの楽しさがあり。超大作の場合リソースに不足はないんだろうから、あとはどれだけ物理限界に迫れるかという競技だけど、低予算映画の場合全区間全力疾走できるわけはないという設定でどう走りぬくかという競技を眺めているような気分もあり。より作り手の生身の躍動感が画面に直接反映されやすいので横ノリ重要というか。多少特撮シーンが暗かろうが砂漠シーンが長かろうがあんまそこは。
  • テーマ設定みたいなものが、かなり良かったと思う。ちゃんとアホみたいな理由で細部が展開しつつ、ミステリがあり、どんでん返しもあり、全体としてはなんとなく意味があるような話になっている。ポンチ映画としては十分以上だろう。こいつら(登場人物たち)はまともじゃない。狂ってる。カタルシスもある。感動もする。なにかアッサリとしたとてもわかりやすいものを見たという気がしつつ、しかし微妙に首をかしげつつ劇場を出てくる映画だ。
  • この映画と関係ありそうな最近のアニメ
    • 図書館戦争:「こいつらはまともじゃない、狂ってる」と現代感性で思えるディストピア住人たちによる戦いつながり。
    • マクロス F:たぶんこれネタバレじゃないと思うから span class="spoiler" で囲わないけど、歌う総司令官かっこいい!
      • でも歌はバグに対して特に有効ではなさそうだったのであんまり関係ないね。まあバグとバジュラは戦う相手としては似たようなものとはいえるから、それ以外の部分(というかマクロスの独自拡張部分を除いた基礎部分全般)でかなり関係がある。バトロイド状態でバジュラと格闘戦しているぶんに、早乙女有人も宇宙の戦士といえるだろうし。
    • スカイ・クロラ:「いつものジョニー・リコだからって、戦況は同じじゃない。それだけではいけないのか」つながり…。