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人狼ゲーム

淡々と映画人狼ゲームシリーズをみた感想を書き連ねていくことによってリハビリを試してみることにするよ。いや、もはや毎日は書けないのだから、これは日記のリハビリでなくブログの練習といえる。一応ネタバレなしで書ければいいなと思っているけど書いてくうちにだいぶバレるかもしれない。

構成 主人公役職 拘束具 (会議)吊り方法 人狼)殺害方法 備考
村人7/占い師1/人狼2 村人 首の頸動脈か何かに小さい破裂装置? 青酸カリが提供される ピストルが提供される -
  • お話がゲームとして成り立つまでに、プレイ開始から三日ほどかかる。ゲーム脳で考えると異常事態だが、チームが勝っても自分が死んだら意味がないリアル人狼で、正常なプレイはむしろ狂気の沙汰。序盤主人公のヒステリックな振る舞いにはだいぶイライラさせられるものの、不条理な状況に放り込まれたふつうの感覚を持つキャラクタとして当たり前の反応だと納得もできる。
  • 推理ものとして成立してるのかは、おれミステリオタじゃないのでわかんないけど、二回見ると人狼役のキャラクタは「人狼役になった人間」として喋っているように見えるので、ああなんじゃないかこうなんじゃないかと勘繰るあそびなら可能だとはいえる。というか推理ものとしてフェアに作ってあると、人狼ものとしては正しくない気もする、最後までなにが真実かを確定できないところが人狼の醍醐味のひとつなので。
  • 個室の防音どうなってんだとか、人狼には実質毎晩殺し合いをする相手を選ぶ権利があるだけで不利すぎるとか、触れただけで死に至ることもあるらしい青酸カリの粉末やその溶液がドバドバまき散らされたホールに毎回集まって転げまわったりもするとかいうのは、本シリーズを見るうえでとても大事なお約束なのだが、突っ込むところではない、要スルーである(たぶんプレイヤが自室に居なければならない時間帯に、運営側による清掃やメンテが入ってはいるんだろうけど)。これはそういう映画ではない。初回視聴ではそういう部分が整合してんのかという部分が気になって仕方なかったけど、二周目以降慣れることができた。深夜アニメのご都合展開の諸々を看過できるオタなら問題なくイケるはず。もしかするとこの、リアルさを強調するわりにはアクシデントや偶然が排除されているかんじは、デスゲームジャンル自体の抱えている問題なのかもしれない。説得力をもたせるには監視や強制の描写を強めるか、あるいは超常現象的なやつのせいにするとかだと思うが、本シリーズの運営はとにかく表に出てこない。「抽象劇です」という制作者からのメッセージと受け取ってもいいのかもしれない。したがって「占いの方法を教えろ」のシーンで「なぜそれを正解と判断できるのか」あたりで誰か冷静になってくれていればー!みたいなツッコミは、野暮。
    • ただ、じゃあそういったご都合を視聴者は心構えとして全部スルーできるべきなのかというと違う。というのは、本作は人狼をモチーフにした映画だから。人狼プレイヤとしての視聴者なら、細かいアラや矛盾を必死で探る態度はむしろ当然だし、そうでないなら生き残れないのが人狼だ。そういう部分にほど目が行ってしまうのが人狼プレイヤだ。人狼をモチーフにしているのに人狼の方法で見てはいけない、と言われても納得はしづらい。これに似ている体験は…たとえば「MMORPG 好きが .hack// や SAO を見る」みたいな訓練だろうか。ゲームをお話にすると、往々にして作品の要点が変わるのだ。そしてゲームが好きだからこそその派生作品に興味をもった人間のすべてが差異を受け容れられるとは思わない。むずかしいことだ。
  • ゲームが進行し、主人公がある種の前向きさを獲得していくのと並行して、人狼たちも変わっていく。絶望して強くなっていく主人公に対して毎夜望まぬ殺人を強いられる人狼側は弱っていく。傷だらけの人狼はそれでも最善を尽くすが、最終局面はもう全然推理ではない。人間の戦い、人間の勝利、人間の敗北である。そして画面内に本当の勝者は居ない。
  • 本作はシリーズ中好評レビューどうやら少なめっぽいんだけど、ゲームと違うデスゲーム映画としての人狼がいかなるものか、一作目でここまでの「型」を作ってしまったのはすごい。この基礎があったからこそのシリーズ化だったろう。本シリーズは、BGM がほとんどないので空気が非常に重苦しいのも特徴のひとつだと思うけど、本作はその点で最も尖っている。こんなのどうせ泡沫ヤング邦画なんだろと舐めて見てたんだけど、意外な志を高さみたいなものを感じて、ちょっと正座しちゃった。