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THE DARK KNIGHT - ジョーカー関連

tDKR 観たので tDK も再視聴しようと思ったのでした。おもしろいねー!だがエイリアンといいターミネーターといい平成ガメラといい「2 作目がよかった」はオタクとしてもういいよという気分もあるな。まあそれこそ余計なオタバイアスというやつだけども。

  • 序盤の、ジョーカーの銀行強盗と、バットマン中国に現るの 2 つのシーケンス、要らねえだろという話をちょいちょい観測したんだけど「両雄が両雄関係ないところで超スマートに大活躍」というか、「彼 TSUEEE」シーケンスとしてゲーム的には必要だよなと思う。なんかそーゆー「映画オタっぽそうなひとが要らないと思いそうな部分がダラダラくっついてる」感が、日本のドラマ発映画っぽいのかなーとか漠然と思ったりもした。おどる大捜査線 in GOTHAM みたいなの。あとやっぱゲームね。このシーケンスをカットシーン抜きで再現しうる仕様はどんなものだろうかと想像する楽しみ。
  • まぁジョーカーかっこいいしさあ、というのもあるが、本作のジョーカーはかなり特別な悪役だ。ティム・バートン氏監督版のバットマンと違って、クリストファー・ノーラン氏監督版のバットマンはそれなりに「この世界の住人の社会生活にリアリティはあります」みたいなポジションだ。そのわりにジョーカーには、まるっきり生活感がないんだよね。というより本作でジョーカーは彼の日常生活を明かさない。どこに住んでなに食って生きてんのかアジトに置いてある家具の趣味はどんなものなのか、さっぱりわからないのだ。
  • 本作においてジョーカーはのっけから強烈にキャラを立ててくる。「ちょう計画的でスマートな銀行強盗」「しかもその強盗において自分自身うっかり死んじゃうかもしれないような危険に身を晒す」という両面性、そして「盗んだ大金をあっさり燃やしてしまう」という、わけのわからなさ。
  • ただ銀行から金を盗むだけでなくて、手下を強盗の過程で始末していく段取りまでしてから事に及ぶというのは尋常な計画性ではない。ほとんど多重人格探偵サイコ的な陰謀論と近い。そのうえでジョーカーは、多重人格探偵サイコ的なつまらなさであるところの「いちばん深く陰謀してたやつが強いという予定説が強固すぎてサイコっぽくない」という部分を回避している。つまり「めっちゃ計画してるわりに、あのときうっかりジョーカー自身がショットガンの直撃食らってたらあそこでダークナイト終わってたよね?」てことだ。頑張って計画するわりに、それがアッサリご破算になりかねないような偶然にも身を任せるキャラクタなのだ。これがちゃんとキチガイっぽくてたいへん良い。
  • で、そういう「めっちゃ計画するわりに、同時に偶然にも身を任せちゃうようなキチガイっぽいヤツ」がゴッサムシティにはもう一人居るわけやね。まさしく「See, to them you're just a freak...like me」やね。
  • 次に「盗んだ札束ガンガン燃やすシーンの存在」と「ジョーカーの日常が描かれないこと」の組み合わせ。ジョーカーやその手下の格好は、あまり清潔ではないし、メイクも雑、けっこうひどい暮らしをしてそうだなぁというかんじ、ジョーカー自身ケチな悪党だった的なこと言ってるので、スラム街を根城に強盗などで生計立ててるひとたちなのかなぁ程度の想像しかできない。
  • でもジョーカー札束の山を平気で燃やしちゃうんだよね。ケチな悪党なら金ほしいやん?だいたい金奪うのはその金使ってなにか買いたいからじゃないの?というかジョーカーも毎日エキセントリックな強盗ばかりやってるわけでもなかろうし、OFF の日はどこに住んでどういう日常過ごしてんの?薄汚いダイナーとか行って、文句ばっか垂れながら 4:3 の丸いブラウン管の TV で警察発表とかブルース・ウェイン界隈のセレブニュースとか見上げてルサン値溜め込んでるわけじゃないの?いかにもありそうなそういうシーンが出てこないのはなんで?
  • それぞれのキャラクタにある程度リアリティが担保されていそうな本作で、「ジョーカーの普段の行動」に絡んでいると思しき場面がわざわざいっこも描かれないからには、たぶん上述のようなありがちな想定ではないってことなんじゃないだろうか?と思ったわけよ。もうわかったと思うけど「めっちゃ計画するわりに、同時に偶然にも身を任せちゃうようなキチガイ」としてバットマンと並び立つようなサイコ野郎であれば、ジョーカーの実存もまた、バットマンと同じく普段平穏な日常を過ごしながら密かにキチガイとしても活動している二重生活者なんじゃねーの、という疑念が生じる。せっかく苦労して奪った金を頓着せず燃やし、手下にもおそらくそれなりの分け前を配分し、昼も夜も関係なく趣味に時間をつぎ込めるからにはたぶん、ブルース・ウェインほどではないにせよ、同じように生活の苦労が全然ないセレブ。有り余る資産を運用しつつ安全な暇つぶしに興じるだけの退屈な人生の隙間、明日をもしれない悪党たちを手下にヒリつくスリルを楽しんでいた大金持ちが、自分と似てるけど正反対のことをはじめたキチガイを発見したとしたら。
  • 所詮バットマンが現れるまでは小悪党で満足していた彼だから、リーグ・オブ・シャドウズがスカウトしにくることもなかったのかもだけど。

とかなんとか。