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BATTLESHIP

これは見るべきと思ったので用事の合間に見てきた。すばらしいというほどではなかったけど、じゅうぶん楽しめた。バカ映画としての志は必ずしも高くないが(主人公がチキンブリトーを盗みに店に忍びこむシーンでピンクパンサーのテーマが流れたり、あと浜辺のキスシーンからヒロインの尻をパンして(地球とひっかけてる?)宇宙シーンにつなぐのとか相当ヒドいと思った)、それもまた優れて正しいバカのひとつのかたち、というかんじだ。爆発と爆音のボリュームは十二分で、映画館出て家に帰ってまだ頭がグワングワンしていた。

  • これもまた一応、ゲーム世代によるゲーム映画ということになるかと思う。映像文法としてあまり優れてはいない演出や手法が敢えて使われる。でもそれがゆえにゲーム脳の観客にはその気分がよく伝わる。本作の場合、戦闘状況を超望遠でいちいち俯瞰するのとかが懇切丁寧すぎるが、これは「いはゆる「FPS 映画」での無駄に一人称視点なカット」みたいなもので、紙と鉛筆で遊ぶ海戦ゲーを原作としている本作におけるゲーム脳ポイントだ。あと夜戦シーンの無理矢理すぎる状況設定らへんが真骨頂なのかな。
  • メインの敵として描かれる三隻の同型エイリアン船は人類駆逐艦同様、基本的に二撃食らったら撃沈してたと思うので、たぶん扱いとして駆逐艦。恒星間を渡ってきてミサイル二発でやられるエイリアン船てどうなのよとか思うんだが、むしろなぜ二撃で沈まねばならないのかを考えれば「それがゲームとしてフェアだから」という理由がありそうだとゲーム脳が囁く。で、エイリアン母船とアイオワ級がボコボコ食らってもなかなか沈まないのは戦艦だから。ゲーム的には四発食らったら沈まないといけないんだろうけど、何発殴り合ってたか覚えてない。
  • 軍オタからすれば突込みどころは多いんだろうけど、まあ「細かいことは気にすんなよ」電波が開幕から強烈に放射されているのでさほど問題はないんじゃないかと思うけど軍オタじゃないのでわからん。
  • 話はバカだが登場するのは意識の高いキラーエリートまみれ、みたいなものを想定していたけど、主人公はじめ結構ダメっぽいやつの屈折エピソードなどが描かれていて意外だった。戦争状況を経て人間的に成長したり喪ったものを取り戻したり、はじめてなにかを掴みとったり。まあ大した掘り下げはなく、いかにもなキャラクタたちの反応推移が僅かずつ予想を裏切る、という楽しみ。ジャンル映画やね。
  • 字幕版を見たのだけど、違和感ある翻訳がチョイチョイあった。用語の扱いが適当だったり、あと人名をなにか別のものと勘違いしてるのがあったような(うろ覚え)?「ロックンロール」は毎度のご愛嬌か。だいたいわかればだいたい OK の戸田奈津子氏節か。
  • 古来海戦といえば船体を横に向けあって矢だの大砲だのを撃ち合うものと相場が決まっていたけど、ミサイルで戦う現代駆逐艦はどっち向いてても問題ないので決めゴマが漫画っぽくてかっけーなと思った(もちろん無茶なサイドブレーキで横腹見せるミズーリの超機動は、スマートな現代駆逐艦カッコイズムのあとにみるからこそ好対照としてウルトラかっこいいよ!スポーツカーのあとにみるインターセプターだよ!CG アクションのあとのロープワークだよ!)。エイリアン船も武装が前面に集中しているが、これは宇宙戦も想定しての設計なのかもだ(もともと宇宙船だし)。主な攻撃手段が爆雷ぽいのも航空宇宙軍ぽいし。いや宇宙と地表とじゃ武器としての要件を充たす爆発規模が違いすぎるし、命中後に埋まり込んで爆発するという「敵船に命中してからじゃないと意味がない」性能はとりあえず宇宙戦闘向きじゃないよなと思うので余計なこじつけか。やっぱ単にゲームデザインとして必要な性能てことよね、現代の駆逐艦で迎撃可能な兵器じゃないと絵にならないし、光線兵器とかで一撃破壊されちゃうとゲームにならないし、かといって性能差圧倒的感出さないとエイリアンぽくないし、となるとヒット後のダメージで表現するしかない…けど人類側のミサイルもめっちゃ効果的なのはご愛嬌。敵弾は敵装甲に対して最も有効なデザインになってるはずだからあんな弾じゃないと破壊できない敵装甲はむちゃくちゃ厚いんじゃないかと思ってたらそうでもなくて拍子抜けっていう…。
  • おれの場合トレーラーにも出てくる「海洋に突如突き出ている謎の立体」というモチーフから即連想するのはルルイエだったので、エイリアンの形状はクトゥルーっぽいのかなと予想していたのにわりとふつうのヒューマノイドだったのは残念。まあ海軍カッコイイ映画だから敵のデザインで海への嫌悪感煽っても仕方ないか。
  • やっぱアメリカの「騎兵隊が来たら勝ち」感は異常。これにてぼくらのたのしいゲームは終了、ハリウッド再開ってかんじ。
  • スタッフクレジット後のショートコントの程度の低さも B 級の中の底辺を狙っていくかんじでひどい。
  • エイリアンとはコンタクトらしいコンタクトが成立しないし、エイリアン側の事情も曖昧にしか描かれないので(人類より進んだ科学技術を持ってるけど最終戦争をやらかした後の時代を生きてるようで、母星は荒廃して新たな居住地を探して地球に来た?とか推測できる程度)、あんま考える要素はない。しかし陸生で陽光が苦手てのはどういう進化なんじゃろうね、彼らの星は地球と環境が似てるので昼間だってたぶんあると思うんだけど。自転速度が公転と同期してて夜と昼が半球固定されてて、その夜側で進化した哺乳類?
  • あと、エイリアンは今回通信船が壊れちゃったので人類側の通信設備で母星にメッセージを送信しようとしたという話だったけど、先遣隊が通信途絶したら、たぶん第二次調査隊が来るよね。がんばれ人類。しかしまぁクライマックスをみるかぎり戦闘機なら快調にボコボコにできそうなかんじだったので、シールド技術さえどうにかできればエイリアンが何度攻めてきても米軍がやっつけてくれるね

ともあれ、おもしろかった。そういやスペースのほうのバトルシップ(実写じゃないほう)も意外と評判いいんだよな…あれおもしろいんじゃろうか…。