Ustream と Podcast 関連
最近 Ustream がまたぞろ盛り上がっているっぽいので、いやいや Podcast も捨てたもんじゃないよ的な逆張り感性が無駄に励起される。ので、ちょろっと考えたことなど羅列。
- Ust は、やるほうは Podcast より（というか大概のネットラジオサービスよりも、あるいはらじろぐ並に）簡単だけど、反面視聴側の負担が大きい（リアルタイム視聴しないと参加できないので、放送時間に拘束される）ので、最終的に「一過性のお祭りごとを盛り上げうるような、ネームバリューのある人間」のイベントだけが巨大化していくと思う。つまり、マスメディア的に使うほうが効果的。もちろん、効果的でない使い方だってできるし、そうすることにのみ得られる効果はあるわけなんだが、ライフハック大好き人間のほうが声がでかいので、まあ大勢からは揉み潰される流れ。
- で、Podcast は、好きな時間に聞けるから視聴者側の負担が低い（後で・聴きたいときに・途切れ途切れでも、聴取可能）。したがって、Ust がメインストリームを獲りに行ってくれれば、マイナーストリーマーの生き場としてコントラストが強くなってグー。これからは Podcast が来ない！ので来る！
- というか、そもそも生放送て一回性の強度自体が超強力だから「リアルタイムである、という魅力」におんぶにだっこな眠い放送も結構許容されるよなと思っていて、それだからこそ、そうしたゆるさを伸ばしたいなら、むしろ Podcast に行ったほうがいいんじゃないかという勘が。
- まあ Ust の場合リアルタイムでやるだけじゃなく記録も残せるから、一回性だけのメディアにはとどまるものではない。とはいえ、まあ消えものだからこそ気楽にしゃべれるってのはある。話者と聴者の関係では、リスク取ってるのは話者側なんだから、話者側のメリットが優先されるのは当然だよな。
- Podcast は必ず記録が残るけど、Ustream は（視聴者側がログ取ってアップロードすればどうしようもないけど）記録を残さないことも可能、という差は、つまり炎上リスクに関係する。といいつつ、じゃあ記録の残る Podcast は炎上リスクが高いのか、といえば、現状そうなっていない。なぜなら、2010 年 3 月現在、音声メディアにはいまだ Permalink がないからだ。ワンクリックで現場の凝縮状況に辿り着くことができ、しかも全体像の把握・手元分析を怠るタイプのユーザが大量動員されなければ、炎上は起きない。
- …ところで、実際のところ、一番困るのは「めちゃくちゃおもしろい Ust が 24 時間以上、平日休日関係なく、何日も断続的に放送される」ことだったりする。見たい・聴きたいという心理があり、しかもログが残らないなら当事者になるしかなく、しかしおれには視聴者として以外の日常がある。どうすればいいんだ状態。
- ていうか、2008 年春あたりの、E 氏と Y 氏の私生活とインターネット的感性の溶け合った非常にスリリングな日常垂れ流し放送が、そんな状態だった。こいつらの日常おもしろいけど、これ全部見てるとおれの日常が破壊されてしまうよ！みたいな。
- また別の話として、Ust は放送のログは取れるけどチャットのログは取れないので、そこがニコニコ動画的追体験環境としては不便なのだけど、でもおれの場合 Ust はチャットが記録されないからこそチャットで好き勝手なことを書く敷居が低く保たれていると思っている。放送ログを保存しないことにより話者の炎上リスクが低くなるのと同様、チャットログが保存されないことで聴者の炎上リスクが低いっていう。
それはそれとして、チャットに反応したトークとかが、後追い視聴時にはムービー側しか再生できなくてよくわからんとかいう問題は不便だから、そこいらへんは放送で地道に拾っていくしかないか。でも発言を読み上げるのってタルいんだよな（まあそれがラジオの場合には、「DJ に自分の書いた言葉を読み上げてもらうこと」自体がプレミアム感とかに繋がったりもするんだろうが）。テキストの引用には読み上げソフト使うのが、ふつうのオタネットラジオ的には一番クレバーな方法だよなと思っている（だってひとの発言読み上げるのってべつにおもしろくないうえに間違えやすくて、おまけに長いと疲れるし、それだったら機械に読み上げさせてるあいだに話者が休憩できたほうが断然いい）。おれの観測範囲ではいまいち流行していない。なぜだ。合理的なのに。いまいちまともらしい読み上げソフトを活用できる段階に現代の科学は至っていないのだろうか…とか思ったけど、どうもニコニコ界隈とかではわりとメジャーな方法らしい。おれは間違っていなかった。
