matakimika@hatenadiary.jp

WELCOME TO MY HOME PAGE(Fake) ! LINK FREE ! Sorry, Japanese only. 私のホームページへようこそ!

最近のインターネット - 15x24 があんま売れてないらしい関連

「いま、ネットで話題の○○がつまらない!」みたいなインターネットのどうしようもない部分(←反応が増えれば増えるほど「大きな話題」として注目を集める単純な仕組みが雪だるま式に「つまらないという感情の共有」という奇妙な状況を生み出す)については以前考えたこともあった一方、所詮マーケティングに利用可能の範囲でしか開拓されないユーザコミュニティなんざ無力やで関連の妄想とかもありつつ、まあそういうのと別に、先日新城カズマ15x24」について「おもしろい」ってより「おもしろいのに売れてない」ってアプローチで盛り上がっているのをみて、良し悪しじゃねーと思ったりした。

  • とりあえず「トレンドセッターかっこいいっす」みたいなノリが出来上がらないと、「マスコミで「クチコミで評判」というコピーが踊る」みたいな流れとかにはならんのだから、かっこよくないトレンドセッターとして固着しちゃった界隈は期待されるような集団ではないっていう話にもなる。そのうえでも、シーン側としては「そんな風評は外野が決めてろよ」て態度以外取りようがない気がする。というより、「じゃあかっこよくなりたいっす」とか言い出しはじめると、面倒事を次々背負い込むことになるのでそんなのはいやじゃろ。
  • そういうのは「べつに大してそれが好きというわけでもないんだけど、他人からかっこよく見られるための方法をやりこむのは楽しいっす」とかいう陽気で愉快なひとたち(≒伝統的な表現を用いれば「オタクの仮想敵としてのオサレサブカル」)にかっさらっていってもらうことにより、「あんま傍目がどうとかじゃなくてマイペースにやっていきたいだけっす」みたいな(おれが好きそうな)界隈の平穏とかシュレディンガー性みたいなものがいい具合に確保されていって、全体のことは知らんけどおれ個人としてはハッピーになったりするとうれしいかなあ、という気分はありつつ、でもそれ設計の話とかじゃないわけよね。
  • とはいえ、徐々に界隈が形成され、「全体」みたいなものが想定されるようになってくれば、見渡しをよくするために情報を集約再分配する立場が要請されもするわけだから、じゃあよく知らんけどラノベ界のオザケン的な存在とかを偽造するのが手っ取り早いんじゃないか。そういうのが居てくれる効用としては、オザケン的じゃないしオザケン的なことがやりたいわけでもないけど遺憾ながらそれなりのプレゼンスを持っちゃったようなひとが、「おまえはオザケンっぽくないからダメ」とか不条理なこと言われて窮屈になったりすることはなくなるって部分。だけ。か。うーん。
  • …という話を全部ひっくりかえすんだけど、15x24 にかんしていえば、ネット(ラノベ)書評系には女子読者の視点が薄そうな印象があるので、そこいらの界隈がネットで騒いでもあまり意味ないんじゃないか。もっと女子読者に届く場所で騒がれるほうが実質的っていうか。だってこれオタ男子よりオタ女子を意識した小説だと思うもん。文体とか、読みやすさへの配慮のかんじとか。すごい乱暴にいえば、「図書館戦争」とかを好きで好きでしょうがない、みたいなひとに(も)ハマってもらいたい、みたいな意図ってあるんじゃないのかな。おれの場合図書館戦争はアニメ見て原作読まなかったひとで、それがなぜかといえば、アニメ版を見たかぎり、原作もオタ的な意味で「ちゃんとしていなさそうな話っぽい」と判断したからだが、それでいうと、15x24 はたぶんかなり「ちゃんとした話」だろうから、これが評価されていけばオタにとって住み心地のいい未来がやってくるのかもしれんね、とは思うんだが、どんなもんか。こうした大状況モノを好む読者層がそこにあるのかどうか、よくわからん…。
  • でもイラストの絵柄選択とか、あんまタッチが濃くないあたりが男読者より女読者想定って気もするし…、いや、ちがうか、どっぷりラノベに漬かったオタ読者よりもうちょっと軽く広いレンジの読者を想定してるかんじ。それと「表紙の絵が全部つながって一枚の絵に」の味って女のコだよな、という偏見があるんだけど(←コミケカタログや高校時代に読んだやおい同人誌群に基づく)。なんかそのへんも。
  • あ、この表紙もしかして絵がつながってるだけじゃなく、だんだん背景写真の時間が経過してるのか?最終巻のあたりでは夜景になんのかな。
  • ていうか、この写真の屋上てどこじゃろ。ここがクライマックスの場所になったりするんか。

ともあれ、どの程度の規模でかはわからんけど、15x24 のことがネットで軽く話題になって、Amazon とかでも売れてるっぽいのは、結果としてよかったよかったってかんじ、か。でも男オタが騒ぐことで男オタにひろまっていく、というのは本筋ではない気がするんだよなー。ラノベテンプレの減点方式で採点してもらって高評価をもらうのが狙いのタイトルってわけでもないわけじゃろ本作は。