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最近の読書

「血涙」上下巻の文庫版が出たというので買ってきたぞジョジョー。よむぜー。超よむぜー。で読んだ。おもしろかった。思ったよりロマンチックな話だった。ロマンチックさ以外の濃度については食い足りない気分で上巻を折り返したのだけど、下巻から先の純度がさすがに高く、これはなんとも…せつない。ちょっとケルベロス世界とか連想した。平和と発展へ向かって行く世界で、先鋭化し孤立していく武力集団同士が、最後の殺し合いにむけて収束していく、という。

ひととひとの間に確かなものはなにもなく、しかし確かなものがどこにもないのかといえば違って、どこかにはある、はずだ、あるのだろう、という半確信みたいなものを踏まえて、あるいはそれは立場とか生き様というようなものかもしれず、筋合いというよりはめぐり合わせ、そこに乗っかっていく生きざまが終着すれば死にざまに至る。世界、というよりは時代のうねりだな。そういったものへの視線は熱くない。生き切るためになにを見ればいいのかというのは、生きているあいだに見たなにか、というだけのことでしかない、のか。とかなんとか、後半のスピード感はものすごく、ちょっとひさしぶりの読書速度では感受性が追いつかない。

滅びの美学の救いを血に求める、北方時代ものの王道がこれなのかもな。また読む。