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人狼ゲーム マッドランド

構成 主人公役職 拘束具 (会議)吊り方法 人狼)殺害方法 備考
占い師1/狩人1/狂人7/人狼1 狩人 首に自動巻き取り式ワイヤー 全員にナイフ支給 首ワイヤーによる補助あり ゲイ登場
  • シリーズ中もっとも陰惨な人狼ゲームだと思う。
  • 初期展開もルール説明と探検が個別に戻ってたり、二周目キャラクタ居なさそうだったり、リブート感あるのな。人狼としてはルールがめちゃくちゃ変則だけど。話の体裁を変えずにシリーズを続けるなら、ラヴァーズでかなりやり切ったところある気もするしな。
  • 占い師の役者のひとのイントネーションに方言残ってるな?みたいな部分は新要素かも。
  • 復讐のように繰り出すハラスメントの数々から想像するに、ゲーム外で相当ひどいいじめを受けていたであろうゲイのキャラクタが出てくるのも新要素だけど、それが活かされてるかんじはあまりしなかったかな。全体「たとえ高確率で死ぬとわかっている道でも、行きたい道を進みたい」みたいなノリが暴発的に立ち上がってくるところは新しかった。それぞれ明暗はあるし、というか死ぬかもしれない道は基本死ぬ道だったけど。
  • この「死んでもいいやと思い切っちゃうやつが出るとゲームが壊れかねない」問題の頻発、狂人になってしまったひとの境遇を思うとわからなくもない。狂人は人狼側が勝たなければ生き残れないが、人狼は一人しかいないので、勝利する場合でも生き残れる狂人は一人だけ。自分を生かしてくれるかもしれない相手に殺されるかもしれないと、毎晩怯えなければならない。負ければ死ぬ、勝てても 6/7 の確率で死ぬ。多勢とはいえ滅茶苦茶不利。狂人に指定された時点でほぼ死ぬのだ。やってられない。一方人狼としても、死ぬ確率こそ低いもののそのぶん殺し続けなければならず、ハードだ。たとえ勝っても人生ヨレヨレになっちゃうよ。このひどすぎるレギュレーションを強調する意味でも、今回処刑が機械式じゃないのは効果的だったんだろうと思う、見ていてつらさが増したし。そのぶん(人狼が誰なのか後半まで明かされない関係もあって)人狼の襲撃シーンは省かれたけど。
  • シリーズ初、最終局面が人間展開にならず、ちゃんとゲーム的な勝敗を争う。それこそが本当の狂気の沙汰だと、これまでシリーズを追ってきた我々には身に沁みてわかっている。居並ぶ役職狂人たちを圧倒する主人公のリアル狂人プレイの成果だ。なぜ主人公にあの行動ができたのか?と最初わからなかったし、いまでもわかってないけど、ひとつには村の狂人たちのむこう見ずな、もしかすると勇気ある、あるいは真剣な、狂気的アクションに主人公もまた触発されたというのはあると思う。あともしかすると…いやまあいいや。
  • 占い師が最後に自分の手を汚したのは、ケジメだな、と思った。
  • 本作、ラヴァーズまでのシリーズとはかなり変わっていて、たぶん今回のルールだと二周目ないっぽいんだよね、人狼知識はそこそこあるみたいなキャラクタ多かったけど、人殺し人狼自体は全員初心者ぽかったし。あと、今回勝者に賞金一億円っていうメッセージがないんだよねー(190906 訂正:メッセージあった。記憶違いだった)。同じユニバースでラヴァーズ後の世界だと考えた場合、もしかするとラヴァーズのキャラクタが(どういう方向かで)世界をちょっと動かした結果だと妄想する余地があるのかもしれない。

…いまさら思ったけど、よく考えたら首ワイヤーて撮影用のピンマイク兼ねてるのかな。たぶんそうなんだろうな、この方式になったクレイジーフォックス以降、台詞聞き取りやすくなったし。

人狼ゲーム ラヴァーズ

構成 主人公役職 拘束具 (会議)吊り方法 人狼)殺害方法 備考
村人5/占い師1/霊能者1/狩人1/キューピッド1+恋人2/人狼2 人狼(恋人) 首に自動巻き取り式ワイヤー ナイフ提供、首ワイヤーによる補助付き ナイフが提供される プレイヤ全員二周目。元運営下っ端登場。
  • ネット評みると本作がいちばん好評。初見では人狼ラソン自体でだいぶ神経を消耗してしまい印象そんなでもなかったんだけど、周回を重ねるたび、おれにもラヴァーズの良さが染みてきたよ。実際出来がいいと思う。出演者も熱演だし演出も見やすいし長回しの迫力場面もあるし、あとエモいところでピアノ音色が復活してる。あと BGM 全体なんだろうこの、どことなく妖怪ハンターヒルコっぽい…良い…。
  • 絶対初日に吊られそうな、真面目系ゴリゴリ仕切りくんが、恐怖を克服するためテンションおかしくなりすぎてもうほとんど自分から吊られにいくような投票直前キレ芸ー!…ての、じゃあどうすればいいんだって思うとつらいし、どうしようもないな。つらいな。能力者に CO させといて「有能アピールしとけば吊られない」って理屈、狩人は能力者守るし、自分の仕切りが見当違いだった場合以外中盤までに人狼に襲われ放題じゃんって思うんだけど、恋人居るから違うんだろうか…。
  • どうやらプリズンブレイクでの運営設定は継承されているっぽい。そして今回、具体的な目的のために賞金一億円を欲しい主要キャラが複数登場する。この「金を持って外に出たい」という欲望の登場は、運営設定煽りでの話の盛り上げのための要素だと思うし、今回は元運営下っ端だったキャラクタも出てきて、かなり運営話に肉薄する回だ。
  • 本当はつらかった時「本当はつらかったんだよね、絶対勝とうね」とか言われちゃったら男の子もうダメだよ…イチコロだよ…。
  • プリズンブレイク同様真占い師有能だったけど、やられちゃうの可哀相だったな。すごいがんばったのに、見た目より強いやつだったのに。これもある種「有能能力者がゴリ押ししてたのにゲーム外要素に引っ張られてガタガタ」だな。
  • 人狼、粗暴でクズっぽいけどピュアなところもある、からのピュア感増幅で中盤以降好漢に思えてきたな。というか同情だな。おれもキツくなると考えるの途中でやめちゃうからな。死んでもいいってより、生きねばって思いきれないところがあるよな、そうだよな。 というか本シリーズの男キャラって一部を除いてだいたいそうなんだよな。生きるって思いきれない弱さ、というか、弱さゆえ生きるって思い切れないんだよ。
  • 必勝の最終局面で主人公が仕掛ける人間展開、そもそも恋人陣営は三人いるんだから全部バラして三人で票を合わせて問答無用で狩人吊ればよかったのに、そうしないのなんで?????て最初思ったけど、もうあの時点で主人公は賞金総取りするつもりだったんだね。だからあの時点で恋人の片割れは自分が殺されることを警戒すべきだった。
    • …といっても、そこまで普通頭回らないよね。ちゃんと伏線はあって「陣営内でも殺し合ってよい」「運営はゲーム中の違反のみ処刑し、それ以外の行為は罰しない」を主人公だけが考え抜いたし、恋人片割れは「賞金は三で割るより二で割るほうが」とか言ってるのでなおさら油断があった。賞金は前後半戦両方終わって一億円だから、総取りで足りる。といっても、クドクド説明してくれないので、ちょっとわかりにくいよな。
    • ともあれ、主人公はすべてを終えてからようやく首ワイヤーを外した。あの時点で処刑される可能性も彼女の脳裏にはあった。ある意味「こいつのために死んでもいい」覚悟を示したわけだ。そしてそれがなかったことを確認したうえで、つまり勝算を得てから、カメラとの対面シーンへ向かった。
  • 占い師は有能だったけど狩人はほんと無能だったね。しょうがないけど。綺麗事ではダメなんだ。占い師や恋人片割れと同じ。恋人は中盤まだ死ねないんだと叫ぶけど、あれは剥き出しじゃなかった。勝ってホッとしてるようじゃダメなんだ。そんなことでは届かないんだ。
  • 主人公とキューピッド、主人公と男人狼には友情を超えた強いつながりがあったと思う。そこいらへんがラヴァーズってかんじなのかな。役職としての恋人も含めて「仲間」三人を裏切って前に進むのが主人公なわけだけど。共に生きるっていう姿を描いてはいないんだな。この「役職名以上に役職名っぽい人間性が別のところで表出する」ての、マッドランドでも継承されててマッドランドは「主人公は狂人たちを超えたマジ狂気の行動で勝利を目指す」てところあるな。
  • キューピッドは、余命のこともあったうえでだけど、たぶん賞金額の件まで完全に納得して「こいつのためにいま死んでもいい」て納得して死んだと思うし、男人狼は「わからないけど、こいつがこうしたいんなら死んでもいいや」て、自分が理解していない事情を受け容れて死んだと思う。これはねー、モテだよ。「わからないけど受け容れる」て、もう好きじゃなきゃできないことだよ。ラヴァーズじゃん。おれは好きになったよこいつ。
    • そのへんでいうと、主人公は自分の勝負の行方を、結局全部相方に委ねて戦ったんだよな。襲撃先はすべて男人狼に選ばせたし、そして最終局面をどう捌くかの判断も、キューピッドにすべて預けた。できることじゃないよ。器がデカい女だよ。そして彼女の選択。オトナじゃん…こわいじゃん…。

人狼ゲーム プリズンブレイク

構成 主人公役職 拘束具 (会議)吊り方法 人狼)殺害方法 備考
村人3/占い師1/霊能者1/共有者2/狩人1/狂人1/人狼3 首に自動巻き取り式ワイヤー 首ワイヤーにより機械絞殺 支援なし ゲーム施設からの脱出。元人狼ゲーム観覧者、いじめられっ子登場
  • ルール説明と施設探検の初期展開をまとめてやっててテキパキ感でてきた。クレイジーフォックス以来、演出のケレン味を若干増してるよな。
    • 本シリーズはあまり予算をかけずヤングな俳優しか出演せず、微細な芝居や派手な演出みたいな、スキルや手間を要しそうなことをやらないようにしている気がしていて、だからあまりカメラや役者はあまり動かず大仰な(舞台に近い)演技が多いんだと思うんだけど。この監督になってからは BGM 演出とか物語ちっくなレイアウトとか、ちょっとふつうの映画っぽさが増したようにも思う。そのぶんリアリティショー感というか、実験映画ぽさというか、生っぽさは若干減ってるかんじ。
  • 本作ではじめて運営に関する部分的な情報が開示されるが、とくに意味があるものではない。金持ち相手にやっている会員制ネット賭博の一種という、いかにもな話。デスゲームもので運営の実態やその意図みたいな部分を謎としてフィーチャーしてそれがおもしろかったためしはないと思う。散々煽った末「くだらないもの」として主人公たちがそれを超越していく部分にスポットが当たって、視聴者としては「だからどうなんだ」としかだいたいは言えない。本シリーズにおいても、そこに期待できる予感はまったくない。だいいち、本シリーズ各作品はべつに時系列順と限らないしそもそも同じユニバースの話かどうかもわからないので、今回だけこういう設定なのかもしれない。
    • 一応毎度まったく現実味のない賞金一億円について、どうやら貰うつもりで真剣にプレイしていたらしいキャラクタの存在も明らかにはなったりもするが、これもとくに本筋ってかんじじゃない。1 作目での賞金一億円という設定は、むしろその現実味のなさが小学生的というか、運営に幼稚でヒステリックなイメージを重ねる効果になっていたと思うんだけど。それとは逆行して、だんだん福本伸行氏作品や LIAR GAME のような、貧乏人にとって現実味のない金額という意味での扱いになってきているかんじはある。なんだろうこのラヴクラフト氏からダーレス氏へみたいな変化。
  • ゲーム外の負い目を利用したレイプ未遂、力関係を利用した一発やらせろ疑惑などプレイヤ間の胸糞展開が続くが、なんと今回主人公を含めた全員の役職が最後まで明らかにされず、作品に推理要素が復活しているので、政治的な正しさとゲーム内の論理は無関係というあたりでミスリード地雷原として機能する。例によっておれは皆目推理できてないので(←金田一少年の事件簿を眺めるおじいちゃんの気持ち)、これがまともに推理可能な話なのかどうかはわからない。
  • 本作は「自分は正しいという証明不能な自信」を根拠にしているとはいえ、能力者が議論をゴリ押しするという、シリーズ中ありえないほどの有能展開だったのに、ゲーム外のプリズンブレイク要素に目がくらんでガタガタになってしまうくだりとか、ほんと人狼をデスゲームでやること自体の無理筋さ、馬鹿馬鹿しさを描ききっている。ハッピークレイジーで無様な最期というか。 あまりの展開に初見時は「え…?」てなった。
    • でもそれは予定されてもいた。ゲーム盤上から自分を外せないとわかりきっている状況でまず自分の安全を確定させようとする判断にはすでに理屈がない。キレる以外能のない馬鹿の面倒をみながら立派に振る舞おうする重圧、異常な状況に放り込まれて加圧するストレス、すべて投げ出して自分だけでも助かりたいという願いを否定できようはずもない。絶望から建て直して希望を掴んでしまったときにハジけちゃっても致し方ない。
  • 弟くん馬鹿だし最悪だけどピュアな部分はあって、あと兄貴がいなくなった直後にはちゃんと仕事したね。それ以上のことは、やっぱりなにもできなかったけど。たぶん当人なりにはよくやったほうだよ。ラストの振る舞いも視聴者に対してはグッドワークだったと思う。
  • 今回最後の人狼は、かなりの強敵感をもって描かれたと思うけど、陣営全体では中盤までの押されっぷりの印象のほうが濃く、それでも取り繕ってなんとか最終局面までもっていったしぶとさだけが光ったかんじだ。そして主人公の最終局面での、往年の人狼 BBS 名勝負ログを思わせるような、しかしその意図は真逆な人間プレイにより、彼のゲームは破壊されてしまった。ほんと GJ、そして可哀相としかいいようがない。
  • 「あなたは誰ですか?」についても、ハイ……としかいえないのだった。

映画人狼ゲームシリーズ感想まとめ

映画「人狼ゲーム」シリーズの感想をまとめて書いたのだが日付をまたいで連投した関係で順番がグチャってしまったので、アンカー並べとく。本シリーズは現在 Amazon prime 特典と Netflix でそれぞれ配信されている。Amazon はマッドランドまであるけど Netflix のほうはまだマッドランドきてないかも(20190895 訂正:きてた。あと Netflix 版のいいところは字幕付であること)。dTV では 7 作目の TV ドラマシリーズ「ロストエデン」まで配信されてるようだが、dTV は現在加入してないのでわからん。で、今年ロストエデンを前日譚とする 8 作目、映画「インフェルノ」が公開されたようだ。どのみち定額オンデマンドサービス以外で見る気まではないので、いまんとこおれはロストエデンから先は Amazon 待ちかな…。

No. タイトル 構成 主人公役職 拘束具 (会議)吊り方法 人狼)殺害方法 備考
1 (無印) 村人7/占い師1/人狼2 村人 頸動脈か何かに小さい破裂装置? 青酸カリが提供される ピストルが提供される -
2 ビーストサイド 村人4/占い師1/共有者2/狩人1/人狼2 人狼 頸動脈か何かに小さい破裂装置? 拳銃が提供される 支援なし プレイヤ全員が知り合い。オタサーの姫と童貞騎士登場。
3 クレイジーフォックス 村人5/占い師1/霊能者1/狩人1/人狼3/妖狐1 妖狐 自動巻き取り式ワイヤー 首ワイヤーにより機械絞殺 首ワイヤーによる支援あり 留学生登場。
4 プリズンブレイク 村人3/占い師1/霊能者1/共有者2/狩人1/狂人1/人狼3 自動巻き取り式ワイヤー 首ワイヤーにより機械絞殺 支援なし ゲーム施設からの脱出。元人狼ゲーム観覧者、いじめられっ子登場。
5 ラヴァーズ 村人5/占い師1/霊能者1/狩人1/キューピッド1+恋人2/人狼2 人狼(恋人) 自動巻き取り式ワイヤー ナイフ提供、首ワイヤーによる補助付き ナイフが提供される プレイヤ全員二周目。元運営下っ端登場。
6 マッドランド 占い師1/狩人1/狂人7/人狼1 狩人 自動巻き取り式ワイヤー 全員にナイフ支給 支給ナイフ使用のこと、首ワイヤーによる支援あり ゲイ登場。

人狼ゲーム クレイジーフォックス

構成 主人公役職 拘束具 (会議)吊り方法 人狼)殺害方法 備考
村人5/占い師1/霊能者1/狩人1/人狼3/妖狐1 妖狐 首に自動巻き取り式ワイヤー 首ワイヤーにより機械絞殺 首ワイヤーによる支援 留学生登場。
  • 今回のテーマは一目惚れです。なんだそれ。
  • 本作から監督が代わっている。BGM も時々入るようになり、音色もピアノのみではなくなっている。三作目にもなると目覚め→ルール説明→建物探索もスムーズで、継承と改善が感じられる。今回主人公は人狼じゃないのに夜の部パートあり。推理は視聴者の仕事ではないというハッキリした主張。
  • 本作から拘束具が、死のピップエレキバンからゴツい首ワイヤーに変更されている。エレキバンは血ブシャーがビジュアル的には良かったけど少々リアリティに欠けるかんじなのと(ていうか二作目終了時にふつうに剥いでたけどあれおかしいよな?!あいつだけおもしろいから特別扱いだったのだろうか…?)、あと処刑時の集団殺人シーンが人狼の襲撃シーンと意味的には被る部分もありつつ(殺したくないけど殺してる感とか)時間的にモタつくから、処刑の残虐さを加えつつテキパキ捌けるって部分で導入されたのかもしれない。
  • 「占われて妖狐が死んだ」の勘違い、メチャクチャな状態で殺害されているのにシステムによる死だと勘違いするのはちょっと強引すぎるかなと思うが、まぁ運営が代行殺害してると勘ぐるのかもしれないし、野暮。
  • 主人公が「運命のひとと生き残る」とか言うわけだがもちろん不可能だ。妖狐は一人陣営であり、そもそもほかの参加者と生き残ることができない。したがって他陣営の参加者と生き残るというのは「ゲームの枠外へ脱出する」という意味になるが、主人公は全然そんなふうには動かない。だから視聴者としては、最初から「何言ってんだこいつ」と訝しみつつ見るしかない。で、話が進んでいくと一目惚れられ君の「今はバンドとかやってるけど、将来は違うことやってるんだろうな」という台詞に重なっていく。同じだ。信じたいものを信じたいという願いだ。だからそんなものに目を奪われず、惑わされず、縋ろうとせず、荒野をみつめて一貫して真剣に生きなきゃいけませんよというような、作品メッセージに繋がってるんだろうか。でもこんなゲームじゃ「真剣にやったところで死んじゃうじゃん……」て戸惑うばかりだ。
    • いや違うな。作品はべつにそんなことを言っていない。何周もしてみたあとには、逆に一目惚れやバンドいいじゃんという含意が伝わってくるようにも感じられる。信じたいものを信じてなにが悪い。それのみが子供の獲られる自由ではないか。子供に子供でいることを許さない不寛容さは何だ。将来とか関係ない。それを子供が言わされるとしたらそんな残酷なことがあるか。
  • 「夜、一人が全員縛って、誰も死ななかったら襲撃失敗」作戦、縛られてない一人がなんらかの理由で死んだら翌日誰も部屋から出れなくて投票できず全員死ぬんじゃないか?とか、なんか「雑では?」というかんじがしたな。占い師はちゃんとリモコン持たせて縛ったのかとか、そこらへん描写なかったし。というか主人公の縛りがめちゃくちゃ緩そうに見えて「これ縄抜け容易では」てなったな。実際普通に縄抜けして出てきたやつも居たわけだし。なんだったんだ…みたいな…野暮野暮。
  • ビーストサイドから引き続いて物的証拠の発生で人狼が追い込まれてしまう展開。ガバガバととるか揺らぎと取るかは、作品に対してどこまで盲目になれるか試される場面かもしれない。結局それがきっかけになって覚悟が決まり、終盤勝敗が確定したと見えたところから、ゲーム外の感情で転回していく場面にもっていくわけだし、クレイジーフォックスおれ内ランキングで文句なく敢闘賞を取った女人狼の(このシリーズは勝利より生存より敢闘賞がいちばん偉い)、ロジックとキャラがすごい活きてて「おまえムカつく」最高としかいえない。人間だ。おまえらは人間だよ(この映画見る際「人間」は最上級の褒め言葉)。だから OK、全然 OK。
  • 「見てんじゃねーよ!」については、中年オタとしてハイ……としかいえることがない。だがおれはここでやめるわけにはいかないんだ。

人狼ゲーム ビーストサイド

構成 主人公役職 拘束具 (会議)吊り方法 人狼)殺害方法 備考
村人4/占い師1/共有者2/狩人1/人狼2 人狼 首の頸動脈か何かに小さい破裂装置? 拳銃が提供される 支援なし プレイヤ全員が知り合い。オタサーの姫と童貞騎士登場。
  • 初見ではシリーズ中いちばん好きになった作品。主人公が奔放寄りなキャラづけで、救いはないけどなんらかの軽さが感じられて良い。なにしろ「人を殺せる女子高生」だ。重苦しい無伴奏の世界に自作の歌を口ずさむ。非日常性だ。前作をマトモなやつしか居なかったから塩試合になった人狼と考えれば、本作は開幕からおかしなやつがまわりに気を遣ってなくて期待感がみなぎる。
  • 前作とちがい初日からゲームの体裁を成している。というのは今回、参加者の一部が都市伝説にのせられて、最初から命がけ人狼ゲームに参加するつもりで連れ立って参加しちゃってるから。で、知り合い同士であるがゆえ村人たちのゲーム外要因の私怨プレイがひどすぎてゲーム内容は惨憺たるものになっていく。
  • 主人公が人狼なので推理要素は皆無だが、そのぶん昼の部と夜の部の二本立てのドラマを楽しめる。繰り返すがこの映画は人狼ではあるがゲームではないのだから、視聴者が見て推し量るべきなのは理ではなく情、推情なのだ。Don't think! feel. くれぐれも己のゲーム脳には眠ってもらおう。
  • 主人公は「剥き出せよ」「吐き出せよ」と口ずさむが、各キャラ序盤から惜しみなく剥き出し吐き出しまくる。前作で提示された人狼とデスゲームの食い合わせの最悪さを超えて、ゲームを超えて、命を超えて、本作で描かれるのはリアル狂人たちのみずみずしい死屍累々である(※役職「狂人」は未実装)。最後まで剥き出さないのは主人公のほうだ。
  • 二転三転して迎える最終局面は、またしても理屈を投げ捨てた人間の戦い。ゲームとして gg とは到底言えないが、お話としては立派に成り立っている。映画人狼ゲームシリーズは名勝負ログとは別ジャンルなのである。
  • それでも、狩人はほんと GJ だった…でも人間、ゲームやってるだけじゃ生き残れないんやな…と反省を促される。
  • 本作にはいはゆるオタサーの姫と童貞騎士が登場するのもおおいに見どころなのだが、よくみたら本シリーズの原作者って秋口ぎぐる氏なのね…道理でちゃんとしてるわけだね。

人狼ゲーム

淡々と映画人狼ゲームシリーズをみた感想を書き連ねていくことによってリハビリを試してみることにするよ。いや、もはや毎日は書けないのだから、これは日記のリハビリでなくブログの練習といえる。一応ネタバレなしで書ければいいなと思っているけど書いてくうちにだいぶバレるかもしれない。

構成 主人公役職 拘束具 (会議)吊り方法 人狼)殺害方法 備考
村人7/占い師1/人狼2 村人 首の頸動脈か何かに小さい破裂装置? 青酸カリが提供される ピストルが提供される -
  • お話がゲームとして成り立つまでに、プレイ開始から三日ほどかかる。ゲーム脳で考えると異常事態だが、チームが勝っても自分が死んだら意味がないリアル人狼で、正常なプレイはむしろ狂気の沙汰。序盤主人公のヒステリックな振る舞いにはだいぶイライラさせられるものの、不条理な状況に放り込まれたふつうの感覚を持つキャラクタとして当たり前の反応だと納得もできる。
  • 推理ものとして成立してるのかは、おれミステリオタじゃないのでわかんないけど、二回見ると人狼役のキャラクタは「人狼役になった人間」として喋っているように見えるので、ああなんじゃないかこうなんじゃないかと勘繰るあそびなら可能だとはいえる。というか推理ものとしてフェアに作ってあると、人狼ものとしては正しくない気もする、最後までなにが真実かを確定できないところが人狼の醍醐味のひとつなので。
  • 個室の防音どうなってんだとか、人狼には実質毎晩殺し合いをする相手を選ぶ権利があるだけで不利すぎるとか、触れただけで死に至ることもあるらしい青酸カリの粉末やその溶液がドバドバまき散らされたホールに毎回集まって転げまわったりもするとかいうのは、本シリーズを見るうえでとても大事なお約束なのだが、突っ込むところではない、要スルーである(たぶんプレイヤが自室に居なければならない時間帯に、運営側による清掃やメンテが入ってはいるんだろうけど)。これはそういう映画ではない。初回視聴ではそういう部分が整合してんのかという部分が気になって仕方なかったけど、二周目以降慣れることができた。深夜アニメのご都合展開の諸々を看過できるオタなら問題なくイケるはず。もしかするとこの、リアルさを強調するわりにはアクシデントや偶然が排除されているかんじは、デスゲームジャンル自体の抱えている問題なのかもしれない。説得力をもたせるには監視や強制の描写を強めるか、あるいは超常現象的なやつのせいにするとかだと思うが、本シリーズの運営はとにかく表に出てこない。「抽象劇です」という制作者からのメッセージと受け取ってもいいのかもしれない。したがって「占いの方法を教えろ」のシーンで「なぜそれを正解と判断できるのか」あたりで誰か冷静になってくれていればー!みたいなツッコミは、野暮。
    • ただ、じゃあそういったご都合を視聴者は心構えとして全部スルーできるべきなのかというと違う。というのは、本作は人狼をモチーフにした映画だから。人狼プレイヤとしての視聴者なら、細かいアラや矛盾を必死で探る態度はむしろ当然だし、そうでないなら生き残れないのが人狼だ。そういう部分にほど目が行ってしまうのが人狼プレイヤだ。人狼をモチーフにしているのに人狼の方法で見てはいけない、と言われても納得はしづらい。これに似ている体験は…たとえば「MMORPG 好きが .hack// や SAO を見る」みたいな訓練だろうか。ゲームをお話にすると、往々にして作品の要点が変わるのだ。そしてゲームが好きだからこそその派生作品に興味をもった人間のすべてが差異を受け容れられるとは思わない。むずかしいことだ。
  • ゲームが進行し、主人公がある種の前向きさを獲得していくのと並行して、人狼たちも変わっていく。絶望して強くなっていく主人公に対して毎夜望まぬ殺人を強いられる人狼側は弱っていく。傷だらけの人狼はそれでも最善を尽くすが、最終局面はもう全然推理ではない。人間の戦い、人間の勝利、人間の敗北である。そして画面内に本当の勝者は居ない。
  • 本作はシリーズ中好評レビューどうやら少なめっぽいんだけど、ゲームと違うデスゲーム映画としての人狼がいかなるものか、一作目でここまでの「型」を作ってしまったのはすごい。この基礎があったからこそのシリーズ化だったろう。本シリーズは、BGM がほとんどないので空気が非常に重苦しいのも特徴のひとつだと思うけど、本作はその点で最も尖っている。こんなのどうせ泡沫ヤング邦画なんだろと舐めて見てたんだけど、意外な志を高さみたいなものを感じて、ちょっと正座しちゃった。